from 福元友則
税理士業界もかなり過渡期に入ってきた印象を受けています。
以前は税理士からの相談はたいていどうやったら新規顧問先を増やせるかでした。
ところが最近そういった相談はあまりありません。
そのかわりに増えているのが差別化やコンサルについてです。
これは僕の普段の情報発信の影響もあると思います。
でもそれだけではなく次の3つの理由があるからだと感じています。
1つ目は税理士業界は単純な差別化が難しくなっているためです。
今は昔と比べ税理士事務所の大型化が進みました。
大きな事務所が増え、あちこちでみかけるようになりました。
税理士事務所の提携やM&Aの話もよく聞くようになりましたよね。
やはり大きな事務所は知名度も高いですし、お客さん側の安心感もあります。
もちろん紹介する保険屋さんや銀行さんなども同様です。
そんな事情もありどんどん単純に成長して事務所が大きくなるというだけでなく、提携などで意図的な大型化が進んでいるのでしょう。
シェア率の高いリーダーがうまれると一気にその市場のお客さんはリーダーに流れていくのは他の業界でもよくあることです。
そのためリーダーにならないと決めた先生はリーダー事務所との差別化に苦慮しているのかもしれません。
2つ目は価格競争による顧問料の低額化です。
前述のように差別化が難しい状況です。
商材を扱っている業界だとリーダーが価格競争を仕掛けてくることがよくあります。
ですが税理士業界の場合、どちらかというと価格プレミアムをとることのほうが多いかもしれません。
反対に新規顧問先を獲得した先生や事務所がリーダーより安い、他の事務所より安いと価格競争をすることで営業している側面のほうが強いです。
価格競争が激化すると当然ですが儲からなくなってきます。
顧問先は増えているんだけど全然儲からないという相談はこのためです。
一度相場が値崩れしたものはそのうち相場がもとに戻ることを期待できません。
そのまま値崩れしていく可能性のほうが高いです。
ですから税理士の顧問業務で儲けるのではなく他のサービスで儲けるようにしようという動きの中でコンサルとなってきているのでしょう。
3つ目は人材の問題です。
今はどこでも採用ができない、なかなか定着しないといった人材面の問題があります。
これを解決するためには今までのような税理士にならないと昇進しないとか高給が期待できないといった構造を打開しないといけません。
税理士でなくても幹部になれるそんなキャリアパスをつくることが重要になってきているのです。
そのため税理士業務ではない業務を確立する必要にせまられるようになってきました。
人気職種で採用面にも強いこともあってコンサルをやっていこうという先生も増えてきているのでしょう。
これらのことはブームではなくトレンドです。
一過性のものではなく今後もしばらくはずっと続く流れでしょう。
であればできるだけ早くに始めてみるのがおすすめです。
早くはじめれば競合がいない状況でうまくいきやすいです。
また仮にうまくいかなかったとしても早く違うことを他のうまくいくことを探すこともできます。
ぜひ時間をとって顧問先を増やす以外で収益をあげることを考えてみてください。
何年後かにいい決断だったと感じると思いますよ。