次世代型税理士の仕事術

一番手間のかかる顧問先を、思い切って手放してみたら…

From:高名一成

 

「資料の催促を何度もしないと出てきません」

 

「こちらの質問には気分次第でしか答えてくれないのに、ちょっとしたことでは夜でも電話が鳴ります」

 

「作業量は一番多いのに、顧問料は一番安いんです」

 

これは以前面談した先生が言っていたこと。

 

こんな顧問先が、あなたの事務所にも一件くらい思い当たるかもしれません。

 

その先生は、もう何年も「本当は切りたいんだけどね」と言いながら、切れずにいました。

 

切りたいのに切れない、あの顧問先

 

切りたいのに、切れない。

 

その気持ちは、すごく分かります。

 

長く付き合っていれば情もありますし、なかなか言い出せないですよね。

 

それに、一件手放せば、その分売上は減ります。

 

減ると分かっていて自分から手放すのに踏み切れないという人もいるでしょう。

 

だから多くの先生が「まあ、なんとか回ってるし」と、そのまま抱え続けます。

 

そうやって一番手間のかかる顧問先を抱え続けて、仕事量だけでなく精神的にもキツイ思いをしている人も少なくありません。

 

抱えているのは、売上じゃない

 

でも、その一件で本当に減っているのは、売上でしょうか。

 

一番手間のかかる顧問先に、あなたは毎月どれだけの時間と気力を使っているか。

 

資料を催促するメール、何度も繰り返す同じ説明、気を揉む電話。

 

数字には出てきませんが、そこで確実に消えているのは「時間」と「気力」です。

 

そして時間と気力は、あなたの事務所で一番数が限られた資産です。

 

一件に取られれば取られるほど、他の顧問先に向き合う時間がなくなっていきます。

 

時間と気力は、お金と違って増やせません。

 

一番手間のかかる顧問先を抱え続けると、本当に力になりたい相手に使えたはずの時間と気力が減ってしまいます。これは見過ごせない事実です。

 

手放してみたら、起きたこと

 

冒頭の先生は、その後思い切って一番手間のかかる一件を手放したと言っていました。

 

もちろん、いきなり突き放したわけではありません。

 

引き継ぎの相談にはきちんと乗って、時間をかけて、円満に手を離したそうです。

 

そして、その先生は「あの一件に取られていた時間が、まるごと空いて楽になった気がします」と言っていました。

 

しかも、空いたのは時間だけではありませんでした。

 

あの顧問先のことを考えると気が重くて、正直、他の顧問先への対応までどこか雑になっていたそうです。

 

その気の重さから解放されて、気持ちにも少しずつ余裕が戻ってきたといいます。

 

その空いた時間と戻ってきた気持ちの余裕で、残った顧問先の相談に前よりしっかり乗れるようになりました。

 

一件手放しただけなのに、他の顧問先との関係がむしろ深くなっていったそうです。

 

お客さんは選ぶ?選ばない?

 

いやなお客さんと仕事をするのは、しんどいものです。

 

理想のお客さんと仕事ができれば、エネルギッシュに仕事ができますし、気持ちも安定します。

 

あなたにも、この人はちょっと合わないな、と感じる相手が、きっといるんじゃないでしょうか。

 

その相手と、どう関わるかはとても大切です。

 

お客さんを選ぶなんて…と思うかもしれません。

 

「お客様は神様」という言葉があるくらい日本ではお客さんを選ぶのはよくないこと、とされがちです。

 

でも、そんなことはないと思っています。

 

誰もが、あなたのお客さんではありません。

 

誰がお客さんかは、こっちが決めていいんです。

 

まず、理想のお客さん=ペルソナを決めよう

 

あなたの貴重な時間と気力は、あなたを本当に必要としている人にこそ使うべきです。

 

あなたが本当に力になりたいと思える人に集中するべきです。

 

その方が、いい仕事ができます。

 

そのためには、理想のお客さんがどんな人なのかをはっきりさせておく必要があります。

 

これを「ペルソナ」といいます。

 

理想のお客さん像を具体的に決めて、その人に向けたメッセージを作り、その人に届くように発信していくんです。

 

これがマーケティングの出発点です。

 

ただ、一つだけ注意があります。

 

ペルソナは、現実的なものにしてください。

 

よくあるのが、理想を追い求めすぎて「そんな人、どこにもいない」というペルソナを作ってしまうパターンです。

 

理想を描くのは大事です。

 

でも、その人が本当に世の中にいるかどうかも、同じくらい大事なんです。

 

一番手間のかかる顧問先を手放すことは、その第一歩にすぎません。

 

本当のスタートは、あなたが「この人の力になりたい」と思える理想のお客さんをはっきり決めることです。

 

まずは、あなたのペルソナを、一度紙に書き出してみてください。

 

-高名一成

 

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