From:福元友則
最近経営計画について、相談されることが増えてきたので思っていることを少々。
経営計画とは何でしょうか?
世界大百科辞典によるとこうあります。
「企業において、全社あるいはそれを構成する事業部や部門の目標・方針、行動、計画、評価方法を意図的に意思決定すること。経営環境の変化が激しい今日においては、変化に対する迅速な対応と経営資源の配分の適切さが要求され、戦略的で条件適応型の代替案をもった計画の策定が望まれる。経営計画の概念は、1950年代のアメリカでおこり、日本には同年代の後半に導入された。経済の高度成長期には、計画は現状延長線型で比較的容易に予測でき、部分計画の積みあげが可能であった。」
だそうです。
ブリタニカ国際大百科辞典によると
「企業が将来の経営活動について意思決定を行い、その行動予定を具体的に表現すること。企業が環境の変化に対応してその行動を合理的に変化させてゆくためには、計画と実行が必要である。
⑴計画の過程は意思決定の過程ともいうことができ、明確な目的の設定、企業内外に関する情報の収集と将来予測、アイディアと案の設定、案の評価と総合調整、審議、決定、実績の検討と計画の改訂という過程を経て意思決定が行われる。
⑵また経営計画は種々の観点からさまざまに分類される。対外戦略の計画、構造計画、活動計画、革新の計画、改良の計画、維持の計画一般的な目標、方針と具体的な計画プロジェクト計画と機能別計画部分計画と総合計画長期計画と短期計画利益計画と資金計画など。なおほとんどの計画は金額に換算できる部分が多いから、予算は最も典型的な経営計画の表示法である。」
とあります。
僕は経営計画とは、よくイメージされる利益計画や資金計画ではないと思っています。
経営計画は「会社をより成長させるため何をするのか?」を意思決定するものだと考えているからです。
ですので、何をするのか?その目的は何か?ということもとても大事になりますし、プロジェクト計画や機能別計画がとても重要だと思います。
こうしたことを計画(投資計画)すると、当然リターンはどうなるのかなどの利益計画や資金計画が必要になってきますが、それはあとの話。
まずは何をやって成長させるのか?そのためにリソースをどうするのか?を決める必要があります。
こうしたことを見つけるために必要なものが過去の決算書だとは思いません。
それよりもむしと営業資料などのほうがなぜこういう業績になっているのかの因果関係がよくわかります。
成長が鈍っているから、営業を再強化しなければいけないのか、新しいことをはじめなければいけないのかは決算書からわかりません。
もし決算書をみないと、数字が全くわからない、黒字か赤字かもわからないということであれば、まだ成長を考えれる段階ではないのでしょう。
それこそ、顧問税理士の本業でやることですから、まずは未来ではなく、過去を正しく認識できるようにサポートしてあげてください。
経営計画からの経営サポートをするというのは、成長戦略を一緒に考えること。
そのためには未来予測をして、未来に対応するために新しいことをはじめたり、営業を革新したりするためのサポートが必要だと考えています。
ですので、そのために何を知らなければいけないか?何ができるようにならなければいけないか?を考え続けなければいけません。
ぜひそういう観点から情報収集なり何か1歩踏み出していただけたらと思います。
ー福元友則