From:福元友則
時代とともに成功するビジネスは変わります。
これは業種の話をしているわけではなく、同じ業種ででという話です。
例えば飲食、それも居酒屋でいうと、、、
昔、ワタミという大成功モデルがありました。
ワタミはそこに行けばなんでもあるという総合居酒屋という形態をとり、しかもそこによそよりも安いという安さを付け加えることで一世を風靡しました。
ところが同じようなお店が増えてくるとすぐにそのマーケットは共食いになってしまいました。安さが武器にならなくなり、むしろ数が売れなくなると利益がでなくなりやすいという弱みに変わります。
またなんでもあるというのは、裏を返せば、「ワタミといえばこれ」というメニューがないということになります。「料理は色々あるけど、どれも月並み」という状態です。
結果として安く済ませたい時にだけしか選ばれない店になってしまいました。
そこに彗星のごとく現れたのが、塚田農場という「地鶏専門の居酒屋」です。塚田農場は、地鶏ブームの火付け役とも言われました。
自社や提携先の養鶏場で地鶏を生産することで流通を省き、提供価格を安くするという生販直結モデルで事業を伸ばしました。
また販促面でもユニークな手法を取り入れ、リピート率がとても高い居酒屋として店舗数を伸ばし。2012年には上場しています。
ですが、競合が地鶏居酒屋をオープンし続けた結果、マーケットが共食い状態になってしまい2014年5月から業績が芳しくないです。
マーケットが縮小する中で、業績を伸ばし続けているのが「鳥貴族」です。
鳥貴族は、全メニュー280円という「価格のシンプル化」が成功し業績を伸ばしています。
今居酒屋業態は鳥料理市場の取り合いをしていて、競争が激化しています。
なので居酒屋業態は、鳥貴族より安くするか鳥ではない別の料理で収益の柱をつくるかという流れになっています。
例として居酒屋でビジネスモデルの変遷について説明しましたが、これはどの業種でも似た感じになります。
税理士業界でいうと、総合居酒屋というのが巡回監査を中心とした税理士事務所にあたります。
なので、ここからどういうモデルに変化していくかというのは上記の例を見てもわかる通りですが、ユニークな専門性を売りにするか、安く提供できるようにするかどちらかに移っていくことは明白です。
前回「価格のシンプル化」か「プロポジションのシンプル化」のどちらかを選ばなくてはいけなくなるということを書きましたが、競争がより激しい業界ではこうしたことがかなり短い周期で起こっています。
ブロックチェーンの技術の進化が早すぎて予想以上に早くビジネスモデルの転換を求められそうな感じがしています。
なので他の業種を参考にしながら、自分はどちらの方向に進もうか検討しはじめてください。
ー福元友則