From:福元友則
このところ人手不足による倒産が増えているようです。
今日本はかつて経験したことのない人手不足時代に突入しています。労働不足から供給制限がかかるのではないかというようなことが以前から懸念されています。
今年の人手不足による倒産のペースは初めて年間100件を突破した昨年をも上回るペースで、人手不足に苦しんでいる会社がどんどん増えていっている状況です。
日本の人口はこれまで横ばいで推移していきました。
しかしこれから本格的な少子高齢化社会に突入してきます。
また人口の減少も顕著になってきます。
この2つが今後の企業の人手不足に拍車をかけています。
過去15年間で34歳以下の人口は約20%減少しました。かつて若者向けにやっていたサービスや商品、ビジネスモデルのほとんどが立ち行かなくなっています。
逆に60歳上の人口は約40%増えました。高齢者向けのサービスやビジネスモデルに注目が集まっているのはそのためです。
この人口動態から若い労働者が必要になる業種は人手不足に苦しんでいるのですが、それは今後も続くどころか、拍車がかかることになります。
代わりに高齢者が就労しているのが現状です。
そこで女性をもっと活用することに活路を見出そうと女性の社会進出、もっというと結婚出産を機に仕事から離れた人を再度活用しようという試みです。
これは見事に成功し、ここ数年であっという間に就労しています。
これはそれだけ人手不足が深刻だったことを意味します。
ですが、それでも人手不足は解消しませんでした。
さらに悪いことに、今後数十年間この傾向は本格化しています。
労働人口は増えず、むしろ減る一方、高齢化もとまりません。
高齢者人口がピークを迎えるのは2042年だと言われています。
さらにたちが悪いのは、労働人口が減少することによって、国内の消費が減ることです。
つまり今後、売上が減るのが、働き手不足による生産能力の低下と、消費能力の低下の2つの要因から容易に予測できます。
これは大企業で中小企業にも起きます。
でも順番を考えると、中小企業の方が先に起きることと思います。
当然、税理士事務所の顧問先である中小企業の数は大幅に減少するでしょう。
こういったことがこれから迎える10年の間に起きることです。
これは今まで日本が直面してこなかった事態です。
今までのやり方は全く通用しなくなるかもしれません。
どの産業も今よりも2極化します。
今後どういった方向に経営をシフトしていくのかじっくり考え、準備し、確実に実行していく、そんなことが経営者に求められています。
ー福元友則