From:高名一成
今、大塚家具が身売りを進めていると報道で大きく取り上げられています。
大塚家具といえば高級家具というイメージが強く、昔は会員制の販売形態をとっていました。
入店の際に顧客ファイルを作成し、そのファイルを持った定員がお客さんと一緒に店内を回りお客さんのオーダーに合ったものを紹介しながら営業をするというスタイルでした。
このやり方が新婚夫婦のまとめ買い需要やちょっと背伸びした家具を買いたいという欲求を刺激し高級家具店として大きく成長してきました。
ですが、すでにご存知の通り、数年前に新しい経営方針を抱える娘さんとのお家騒動が勃発し、ここまで会社を成長させてきた創業者であるお父さんは取締役会にて社長を退任させられました。
そして、娘さんの新しい経営方針での新体制で経営をすることとなりました。
その新体制は会員制ではなく、もっと気軽に店舗に来店できるお店作りというものでした。今までの高級路線からカジュアル路線、つまり今より価格帯を下げる方向に経営の舵取りを切り替えたということです。
結果、売上がどんどん下落していき、ついには自力での経営再建はできないほどの状況になってしまいました。
それも、売上減少の大半は「カジュアル路線」に切り替えた店舗が原因だそうです。なんとも残酷な事実です、、、。
経営戦略の選択ミスではないか?
これは僕たちの業界では当初から疑問視されていたことです。
通常、戦略を作るときにはライバルとの違いをどう作るか?一見同じように見えても、自社だけのユニークな箇所は何か?こういったことを徹底的に考えます。
その違いが明確になっているからこそ、見込み客の関心を惹き、選んでもらえるんですよね。
でも、大塚家具の新体制では、ライバルと同じフィールドに参入していきました。なので、難しいんじゃないかな、、、と思っていました。
マーケッターや経営者であれば、市場性があればライバルが数多いるフィールド、つまりレッドオーシャンでも参入していきたいという気持ちがあると思います。
自社の営業やマーケティング力、資本体力を持ってすれば勝てるんじゃないか?なんて思いがちです。僕も思う時はあります。
でも、セオリーは「違い」を作ることです。
違いがなければ、その先にあるのは価格競争です。安さをウリにして勝つということでしか戦えなくなってしまいます。
なので、自社の違いはどこにあるのか?自社の強みはどこにあるのか?こういったことを考えて戦略を作っていくことが大切で、その結果お客さんから選ばれる会社になるんです。
あなたの事務所の違いは何ですか?ライバル事務所よりもユニークな部分は何ですか?
税理士事務所はまさにこれを明確にしなければいけない過渡期になってきています。
2018年もあと4ヶ月ほどとなりましたが、これをきちんと見つめなおしてライバルとの違いを作ってください。
ー高名一成