from 福元友則
明日はサッカーW杯の決勝です。
スペイン対アルゼンチン。
僕はバルセロナのファンであるクレとして
メッシを20年以上見てきました。
そんな僕には今回の決勝が
科学対カルトの戦いに見えています。
スペインは科学です。
育成
戦術
ポジショニング
再現性
誰か一人に頼らず
組織として勝つ仕組みをつくっています。
一方のアルゼンチンはカルトです。
もちろん悪い意味ではありません。
メッシを神として
その神のためにすべてを捧げる
宗教のようなチームに見えるということです。
勝つためにメッシがいるのではありません。
メッシのために勝とうとしているのです。
メッシにもう一度W杯を勝たせたい。
メッシの物語を完成させたい。
そんな思いがチームを一つにして
通常以上の力を引き出しているように見えます。
ではもし決勝に
メッシが出られなかったらどうなるでしょうか?
戦力が落ちるだけではありません。
何のために走るのか
誰のために体を張るのか
チームの熱量を生んでいた意味まで
失ってしまう可能性があります。
これは小さな組織によく見られる構造です。
組織が小さいほど
仕組みよりもリーダーの存在が
組織を動かす力になりやすいからです。
税理士事務所も同様です。
業務は科学型でも
経営はカリスマ型になりやすい組織です。
申告業務には期限がある。
チェックリストもマニュアルもある。
業務は仕組みで回せます。
でも事務所を成長させる場面ではどうでしょうか?
所長が営業すると案件が動く
所長が会議に入ると話が進む
所長が本気になると事務所全体の温度が上がる
所長の存在が
成長のための熱量を生んでいる事務所は
多いのではないでしょうか。
この状態は
所長が最前線を走り続けられる間は強いです。
ただ事務所を成長させるたびに
所長が営業する
所長が新商品を考える
所長が職員を鼓舞する
ことが必要になります。
事務所が成長するほど
所長への依存度が増していくのです。
そこで多くの事務所が
AI化や仕組み化を進めます。
誰がやっても同じ品質になる
処理が速くなる
所長が細かく指示しなくても回る
確かに事務所は楽になります。
でも楽になることと
成長することは同じではありません。
仕組みがあれば業務は回ります。
でも仕組みだけで
成長のための熱量まで生み出せるとは限りません。
むしろ所長が最前線から離れることで
事務所を前に進めていた熱量まで
下がってしまうことがあります。
つまり小さな組織では
楽になることと成長することが
トレードオフになりやすいのです。
では所長が最前線に立たなくても
成長の熱量を生み出すには
どうすればいいのでしょうか?
その一つが
所長の理念を体現する商品やサービスをつくることです。
この事務所は何のために存在するのか
顧問先にどんな変化を起こしたいのか
職員は何に貢献するのか
理念を言葉で伝えるだけでは
職員は動き続けられません。
理念を仕事に変える
商品やサービスが必要なのです。
たとえば
顧問先の売上を伸ばす
社長が未来を考えられるようにする
地域を支える会社を次の世代に残す
こうした商品やサービスは
所長の考えを
職員が実践できる仕事に変えてくれます。
商品を通じて顧問先に変化が起きる
職員がその成果を実感する
成功事例が事務所に蓄積される
そうすると
所長が毎回前に立たなくても
商品やサービスそのものが
事務所を前に進める力になります。
カリスマが語っていた理念を
商品やサービスが語るようになるのです。
楽になる仕組みと
成長する仕組みは違います。
所長が最前線にいなくても
成長できる事務所にするには
所長の理念を体現する商品やサービスをつくり
それを事務所の中核に育てる必要があります。
カリスマが熱量を生む
仕組みが業務を回す
理念を体現する商品が成長を続ける力になる
先生の事務所には
先生の理念を体現する商品やサービスがあるでしょうか?
明日の決勝を見ながら
そんなことも考えてみたいと思います。


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