from 福元友則
最近日本人シェフが初めてミシュラン3つ星を獲得してニュースになりました。
年末までグランメゾン東京というミシュラン3つ星を目指すシェフ達のドラマがやっていたのでとてもタイムリーな話題でもありました。
ドラマを見てはじめて星の基準を知ったのですが、3つ星はそれを味わうために旅行する価値がある卓越した料理を出す店に与えられるものです。
ちなみに2つ星は極めて美味であり遠回りしてでも訪れる価値がある料理を出す店に。
1つ星はその分野で特に美味しい料理を出す店に与えられるものです。
もしかしたらグルメな先生だと、この基準をすでにしっていらっしゃるかもしれないですけど、なぜこんな基準になっているかご存知ですか?
わざわざそのために旅行してもいいとか、遠回りする価値があるとか。
なぜこんな表現をするのかというとそこには理由があるのです。
というのもミシュランガイドを発行しているミシュランはタイヤの会社だからです。
ガイドブックができたきっかけは、パリ万博の時に車を運転する人向けにホテルやガソリンスタンドなどの地図をつくったことだそうです。
この地図をつくることで車を運転する人が増えてくれれば、つまりタイヤも増えるのでは?という動機なのです。
「ガイドはタイヤのため」
「ガイドはミシュランにとってブランドを宣伝するもの」
「ガイドはタイヤ事業を発展させるために存在する」
もっとタイヤが売れるようにするために作られているのがミシュランガイドブックなのです。
ミシュランガイドブックのようなものをマーケティング用語でリードマグネットといいます。
それまでセールスしかしていなかった会社が、マーケティングをするようになると爆発的に業績がよくなることがあります。
そんな時は、こういうリードマグネットがヒットして見込み客が増えたために起きています。
どこの事務所も今すぐ客にはそれなりにアプローチできています。
例えば紹介会社からあった案件の場合、コンペになることばかりだと思います。
これは今税理士を変えようとしているお客さんなので、今すぐ客と呼ばれています。
今すぐ客は契約を相手が望んでいるので契約は決まりやすいのですが、その反面競争は激しくなるのでたいてい価格勝負に巻き込まれてしまいます。
一方、今すぐ税理士を変えたいというのではないお客さんのことをそのうち客と呼びます。
そのうち客には今すぐ税理士を変えようという気持ちはありません。
でもいい先生がいたら将来的には変えていいと考えています。
こういう社長はたくさんいます。
誰でも大小の不満を抱えているからです。
ですので、そのうち客のボリュームはかなり大きいです。
ですが、相手から契約の話が出るわけでもなく、こちらアプローチすると引かれてしまうのがそのうち客です。
ですので、ここにアプローチしてもなかなかうまくいかないので営業をやめてしまうことがほとんど。
もしアプローチに成功すると一人勝ちになります。
ですので、ヒットすると業績が一桁増えるなどの爆発的な成長が望めます。
そんなそのうち客にアプローチするには、リードマグネットです。
ミシュランがタイヤを売るのではなく、タイヤが売れる状況をつくるためにガイドマップやおすすめの飲食店を掲載するように、税理士事務所も見込み客の経営の役に立つリードマグネットをつくることをおすすめします。
ちなみに本業でやると営業になってしまうので、税務以外の分野で顧問先以外の人に提供して喜ばれるテーマを設定して、小冊子でもセミナーでも提供することをぜひ検討してみてください。