From:高名一成
税理士になろうと決めたとき、あなたはどんな仕事を思い描いていましたか?
社長の力になって「先生のおかげだよ」と、言ってもらえる自分をきっと一度は思い描いたはずです。
先日会った先生も、同じでした。
その先生が思い描いていたのも社長の力になる姿です。
でも実際は、記帳や決算、期限に追われる毎日。
資料の催促に追われ、こまごました質問に答えているうちに、気づけば一日が終わっているそうです。
「こんなはずじゃなかったな…」
その先生は、そうこぼしていました。
「税務はつまらない、コンサルがやりたい」
こういう話は、その先生だけじゃありません。
ほかの先生からも、同じような本音をよく聞きます。
「正直、税務はもう飽きた。つまらない」
「経営の相談に乗ると、社長がすごく喜んでくれる。だから、コンサルがやりたい」
こんなイメージの話で、職員さんからも聞くようになりました。
税務をやっても社長は当たり前という顔なのに、ちょっと売上や資金繰りの相談に乗っただけで深い話になり、アドバイスすれば喜んでくれる。
どちらもやってるのは自分なのに、この差は何なんだろう、と思いますよね。
なぜ、コンサルは喜ばれて、
税務は喜ばれないのか
ここに、大事なことが隠れています。
社長が喜ぶのは「自分の得」が見えたときです。
売上が増えそう、お金が残りそう、悩みが減りそう。
自分の未来が良くなる感じがすると人は喜びます。
経営の相談は、まさにそこに直接触れます。
だから、喜ばれるんです。
社長にとって、税金を1円も間違えずに申告してもらうのは「やって当たり前」のことです。
でも、経営のこと、自分の悩み、理想について一緒に頭を悩ませてくれる人は特別で、自然と心を開くようになりますし、感謝の気持ちも芽生えます。
税務は、社長の会社を守るために欠かせない仕事です。
ですが、残念なことに当たり前のことに対して、日々の感謝を抱く人はあまりいません。
最初は抱いていた感謝も、次第に無くなってしまうものです。
つまり、税務がつまらないわけでも、あなたの仕事が良くないわけでもありません。
ただ、喜ばれる場面が少ない仕事になってしまっているだけです。
そして「もっと喜ばれる仕事がしたい」と感じているのは、社長の力になりたくてこの仕事を選んだ、あの頃の自分がまだ生きている証拠ではないでしょうか?
コンサルじゃなくてもいいです
こういった理由からも、コンサルをやりたいという税理士が増えてきています。
ただ、一つだけ気をつけてほしいことがあります。
「税務がつまらない」
これを真の動機にしないでほしいということです。
コンサルに惹かれる本当の理由は、きっとそれが本音じゃないですよね?
社長にもっと喜んでもらいたい。
もっと感謝される仕事がしたい。
きっと、そういうことのはずです。
だとしたら、大事なのは「コンサルかどうか」ではありません。
社長の「得」に触れられるかどうかです。
そこを外したら、コンサルをやっても同じように喜ばれません。
最初の一歩は、コンサル分野の知識でも、コンサルスキルでもありません。
今の顧問先との関わりを「報告」から「相談」に一段変えるということです。
巡回監査では月々の報告ではなく、相談を受けれるような立ち回りや会話をしましょう。
数字の報告のあとに、社長がこれからどうしたいのかを聞いてみてください。
今までの会話を変えながら社長の得を探して、得を得るための戦略戦術を一緒に考えてあげてください。
そうすることで、社長から喜ばれて、社長にとって唯一無二の税理士になれるはずです。
-高名一成
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