From:福元友則
先日税理士の先生と「競争が激しい業界と競争がない業界の違い」について話しをしました。
「競争が激しい業界で勝負するのがいいのか?」
それとも
「競争のない業界で勝負するのがいいのか?」
という話です。
これを自分たちの業界で見ると主観的になってしまうので、客観的にみて考えるために他の業界で考えます。
競争が激しくて誰でもわかる業界、飲食業。
飲食業界は新規参入が激しく、また業界No.1でも圧倒的なシェアがないという群雄割拠な業界です。
そんな飲食業界にあって顕著なトレンドは2つ。
機械化(オートメーション化)と狭小化です。
機械化(オートメーション化)というのは、例えばファミリーレストランのドリンクバーとか、回転寿司の回る寿司です。
回転寿司は、よくあるお寿司やさんを機械化して成功したわかりやすい例です。
回転寿司は、機械化することによって人件費を削減し安売りすることでよくあるお寿司やさんと差別化して成功しました。
機械化は、原価を抑えそれを売価に還元しないと成功しません。コストを抑えることで、他より安売りしないといけないのです。
それでお客さんをたくさん呼び、今度は仕入れのスケールメリットを活かしてさらにコストを抑えることで、安売りをする原資にし、またさらにお客さんをたくさん呼び込まなければいけません。
いま回転寿司チェーンはマーケットを食い尽くしたところで、ここからさらに売上を増やしていくためには、今までにない新商品の開発と、何より客単価を増やしていかなければいけないという課題に直面しているところです。
これを税理士業界にあてはめると、クラウド化というのはコストを抑えることにつながる一方、今より単価が下がる大きな要因になるということです。
クラウド化を進めるなら、それとあわせて営業の強化、新規獲得をどんどんしていかなければいけないことがよくわかります。
一方、狭小化というのはコンセプトの強い小さな飲食店のことです。
今新しく飲食店を開業する人は、以前と比べるとより小さなお店を探し、そこでオープンするようになっています。
これは回転資金を低く抑えることはもちろん、激しい競争の中で勝ち抜くには他よりもマニアックなコンセプトで差別化しないと生き残れないと考えているからです。
例えば、中華料理だと(正確には中国料理)メジャーなのは山東、四川、広東、江蘇料理の4大料理になります。
ですが、ここで新しくオープンしても差別化要素がありません。
ですから、例えば湖南料理などのほかの料理でオープンする店が増えています。
これを税理士業界にあてはめると、より何かに特化した専門事務所(部門)でないと生き残っていけないことになります。
ちなみに専門性の高い事務所というのは、新しいジャンルをつくりだしているので競合がほんとどいなく、競争がないため、自分で価格をつけることができ、利益をあげやすくなります。
また経営的には、こうした専門特化した部門をいくつも立ち上げることで、1つ1つは小さくてもまとめると巨大になるという経営の仕方をすすめることになります。
機械化をすすめると最後に勝つのは、最大手、普通は一番資本の大きなところになります。
ですから、こことバッティングしないところで確実に利益をあげていく専門特化をいかにしていくのかというのがこうした業界で生き残っていくための戦略になります。
これはどちらかしか選択できませんから、ぜひ早くに決断して、その準備をどこよりかも早くされることをおすすめします!
ー福元友則