経営戦略

メジャーリーグの「データ革命」から学ぶ、顧問先と顧問料を高める秘訣

From:高名一成

 

「マネーボール」という映画を知っていますか?

 

ブラッド・ピットが主演で、実話をもとにした映画です。

 

2000年代のメジャーリーグで、オークランド・アスレチックスという資金力のない弱小チームが、統計データを使った選手評価(セイバーメトリクスと言います)で次々に勝ち始めた、という話です。

 

それまでのメジャーリーグは、スカウトの「目利き」や「経験と勘」で選手を評価していました。

 

打率が高い、足が速い、肩が強い。

 

各球団はそういう分かりやすい指標で選手の価値を決め、大金をはたいて選手を集めていました。

 

でも、アスレチックスの年俸総額はヤンキースの約3分の1。

 

スター選手を大金で買う従来のやり方では絶対に勝てません。

 

だからデータを分析して「過小評価されている選手」を見つけることにしました。

 

他のチームが見向きもしないけど優秀な選手を安く集めることにしたんです。

 

この方向性が大当たりし、弱小だったアスレチックスがプレーオフに進出するという快挙を果たしました。

 

これは野球界に大きな衝撃を与えました。

 

全チームがデータ分析を始めた結果

 

当然、他のチームも黙っていません。

 

メジャーリーグの全30球団がデータ分析部門を設置しました。

 

専門のアナリストを何十人も雇って、あらゆるデータを収集・分析するようになったんです。

 

じゃあ、その結果どうなったか。

 

…データだけでは差がつかなくなりました。

 

考えてみれば当然ですよね。

 

全チームが同じようなデータを使って、同じような分析をして、同じような結論にたどり着くわけですから。

 

最初にやったチームは大きなアドバンテージがありました。

 

でも、みんながやり始めてから、それは「武器」ではなく「前提」になったんです。

 

そこで面白いのが、ヒューストン・アストロズというチームです。

 

2011年にリーグ最低の勝率を記録した弱小チームでした。

 

他のチームがデータを「良い選手を見つけるため」に使っている中で、アストロズは「今いる選手を作り変えるため」にデータを使い始めたんです。

 

特殊なカメラや測定装置でボールの回転数や角度を計測して、投手一人ひとりに「ここをこう変えれば球が打たれにくくなる」と具体的にフィードバックする仕組みを作りました。

 

アストロズは、他のチームがやっていないこの仕組みで次々と選手を変えていき、2017年にワールドシリーズ(メジャーの優勝決定戦)を制覇しました。

 

分かりやすい例を1つ挙げると、ゲリット・コールという投手。

 

2018年にアストロズに移籍してきた選手です。

 

前のチームでは12勝12敗の平凡な成績だったんですが、投げ方を変えた結果、20勝5敗に激変。

 

最終的にはプロ野球史上最高額の約470億円で契約しています。

 

同じ選手なのに、結果がここまで変わる。

 

みんなと同じことをやっていたら弱小のまま。

 

他がやっていないことをやったから、結果が変わったわけです。

 

同じことをやれば、価格競争

 

これって、税理士事務所の経営でも同じことが言えるんじゃないでしょうか。

 

税務申告、記帳代行、試算表の作成、決算対応。

 

これらはどの事務所でもやっていることですよね。

 

もちろん品質には差があると思います。

 

試算表を出すスピードが速い、申告のミスが少ない、レスポンスが早い。

 

そうやって日々努力されている先生は多いはずです。

 

でも、お客さんから見たらどうでしょう。

 

その違いが分かるお客さんは少ないのではないでしょうか?

 

メジャーリーグのデータ分析と同じで、みんながやっていることをどれだけ頑張っても、そこでは差がつきにくい。

 

だから価格で比較されるし、あいみつで負けるし、値引き要求が来る。

 

もしそう感じたことがあるなら、それはあなたの仕事の質の問題ではなく、構造の問題です。

 

ビジネスでは同じことをやっている、あるいはお客さんに同じだと思われているのであれば、待っているのは価格競争。

 

これはもう仕方がないことなんです。

 

これまでと違う結果が欲しければ、違うことをやる

 

新規の問い合わせをもっと増やしたい。

 

顧問料の単価をもっと上げたい。

 

これまでとは違った結果がほしい。

 

もしそう思っているなら、他と同じことの延長線上にその答えはありません。

 

よそがやっていないことをやる必要があります。

 

そして、ここが大事なんですが、たとえ違うことを見つけてうまくいったとしても、いずれ他の事務所が同じことをやり始めます。

 

メジャーリーグで起きたのと同じことです。

 

だから、また違うことを見つける。

 

また違うことをやる。

 

ビジネスって、この繰り返しなんですよね。

 

でも、裏を返せば、先に動いた人にはかならずアドバンテージがあります。

 

先に違うことを始めた事務所が「この先生は他とは違う」と選ばれるようになります。

 

あなたの事務所の「違うこと」は何でしょうか?

 

ぜひ、考えてみてください。

 

ー高名一成

 

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