From:福元友則
先日、ショッピングモールに行った時に目撃した光景。
何人かの子供がエスカレーターを上まで登る競争をして遊んでいました。
可愛らしい光景だったので少しの間眺めていたのですが、どうも走るのが早い子が下りのエスカレーターで、走るのが遅い子が上りのエスカレーターで競争をしているみたいでした。
見た感じ、年齢もバラバラっぽかったですしちょうどいいハンデなのかもしれないなと思いましたが、勝負は圧勝で上りのエスカレータの子でした。
これを見て思い出したのが、ビジネスのエスカレーターの話です。
経営戦略の勉強をするとプロダクトライフサイクルという考え方がでてきます。
これは、製品が誕生してから衰退するまでのプロセスを説明したものです。
そのプロセスは
①導入期
②成長期
③成熟期
④衰退期
に分けられるというものです。
各プロセスをかんたんに説明すると
①導入期とは、まだ製品が市場に認知されていない時期にあたり、関係者やマニアなど一部の人にしか知られていないため、認知度を高めるのに多額の資金が必要になります。
②成長期とは、認知度が急激に伸び、それとともに市場も急激に伸びて売っても売っても供給が追いつかない時期です。この時期に、競合がどんどんこの市場に参入してくるようになりますが、参入業者はみんな儲かるような時期で、広告すればどんどん売れる時期です。
③成熟期とは、競合が参入しすぎたため、供給が需要を満たしてしまった時期のことです。成熟期になると、お客さんからみて同じに見える製品ばかりになり、差別化が難しくなって価格が非常に重要になってきます。
この時期になると、安売りでシェアを伸ばす会社が目立ってくるのが特徴です。また売上を維持するのがやっと、利益をあげるのが日を追うごとに難しくなるのも成熟期の特徴です。
④衰退期とは、製品の需要がどんどんなくなっていき、参入している会社は売上も利益も右肩下がりで減っていく時期です。
既に市場には、当初の需要を違った形で満たす製品が登場しはじめてきたり、新しい技術革新によって、違うニーズに変わっていったり、環境の変化によりお客さんのニーズが変わってしまったことにより市場がどんどん縮小していってしまう時期です。
いろんな先生にこの説明をして、今税理士業界ってどこに位置すると思いますか?と質問するとたいてい③成熟期か④衰退期という答えがかえってきます。
ここで冒頭のエピソードが関係してくるのですが、ビジネスの世界にもエスカレーターがあります。
プロダクトライフサイクルにも上りのエスカレーターと下りにエスカレーターがあるのです。
上りのエスカレーターは成長期のことで、下りのエスカレーターは衰退期のことです。
会社を成長させれるかどうかは、経営者の能力、もっというと営業力よりもどの時期のビジネスをやっているかに左右されることの方が大きいです。
どれだけ優秀な人でも衰退期のビジネスをやらせればうまくいかないでしょう。
反対に、あまり優秀ではない人でも成長期のビジネスをやればうまくいくでしょう。
またそれだけではなく、上りのエスカレーターの成長期のビジネスはやればやるほどうまくいくのに対して、下りのエスカレーターの衰退期のビジネスはやればやるほどどんどん疲弊してしまいうまくいかなくなってしまいます。
ですので、事業を成長させたかったり、成長させ続けたい場合、いつどのビジネスをやるかというのが非常に重要になってきます。
またこれからはこのサイクル全体の期間がどんどん短くなっていってしまうので、チャンスを逃さないようにアンテナをはっていくことも重要になります。
ぜひ幹部や顧問先と今回の話、シェアして話あってみてください!
今後にとって非常に有意義な時間になりますよ!
ー福元友則