From:高名一成
先日、ある経営者の方と食事をしました。
その人はこれから会社を成長させていくために、お金をどう使おうか悩んでいました。会社の設備に投資をするか、顧客獲得のために投資をするか、従業員に還元するかなど。
お金は無限にあるわけではないので、どこに投資をするかの経営判断はカンタンではありません。その会社やステージ、マーケティングの状況によって、今何に投資をした方がいいかは変わるからです。
その経営者は悩みがながらも新規客獲得に投資するのが今は最善策だと考えているようでした。なぜなら、客単価アップの仕組みがうまくいっていて、利益が増えてきたからと言っていました。
今のお客さんの客単価アップに成功し、会社の利益が増えているのであれば、もっと新規を増やす方に力を入れようと考えるのは当然のことです。
新規獲得は価格設定が一番重要です。とにかく安い価格設定をすることができれば、新規獲得はうまくいきます。
マーケティングの世界では、「顧客は金で買え」という言葉があるくらいです。
でも、安い価格設定ができるのは、客単価アップの仕組みがあるからです。
あとで儲かることが分かっているのであれば、安くしてたくさん集客し、効率を上げていく方が理にかなっています。
価格競争になればなるほど、自分たちとってメリットだらけです。
でも、まだ多くの会社は客単価アップの仕組みが無いので、集客をしやすくするために安くしているだけです。利益を作る構造が無いのに。
これから、人口減少、企業数の減少に伴い、多くの業界で激しい顧客獲得競争が始まります。
おそらく、今よりはるかに熾烈な価格競争が始まることを意味します。
その時に生き残れる会社は客単価アップをするための仕組みをもつ会社だけです。こういった会社は価格競争をものともせず、逆に自社にとっては新規獲得がラクになる特大のチャンスになってきます。
税理士業界でも今後相続は一大事業になると言われていますが、どこかのタイミングで確実に価格が下がっていくはずです。今ままでは、利益を生む高額商品という位置付けだったのにも関わらず、もしかしたら、採算のとれない商品になってしまう可能性もあります。
なので、今後、相続事業でも新規獲得のための商品と利益を生むための商品を作る必要が出てくるでしょう。
外部環境によって、商品の価格や役割が変わるかもしれませんが、マーケティング的にやることは変わりません。
それは、安く集客し、あとで儲かる仕組みを作ることです。
この考え方を忘れずに、今後の戦略を考えてみてください。
ー高名一成