from 福元友則
差別化に悩んでいる先生は多いかと思います。
実際、僕も色んな先生から差別化について質問や相談を受けています。
差別化について考える時によくやりがちな間違いがありますので、その間違いをシェアします。
差別化を考えるうえでキーワードの1つにトレードオフがあります。
差別化にはポジショニングをどうするかという問題があります。
そのポジショニングを考える時には、何をやって何をやらないのかを決めなければいけません。
リソースの多い事務所であれば、あれもこれもやれるでしょう。
でもほとんどの税理士事務所はうちはリソースが多いとは言えないと思います。
そんな状況であれもこれもやるというのは、手をつけるだけでやり遂げることができなくなってしまいます。
そのため、何をやるのか決めるには何をやらないのかを決めるないと成立しないことが多いのです。
よくある例として標準化とカスタマイゼーションがあります。
例えば、スーツ業界。
標準化といえば、吊るしの既製品のスーツ。
それに対してカスタマイぜーションの代表はオーダースーツ。
既製品のスーツを買う人はとオーダースーツを買う人は全く別の人です。
既製品のスーツを買う人は、スーツに着心地を求めていないでしょう。
(もちろん例外はありますよ。)
一方、オーダースーツを買う人は安さを求めていないでしょう。
ここでいうトレードオフとは、着心地と安さ。
これを両立させようとすると、ビジネスモデルが壊れ、儲けがなくなります。
標準に取り組もうとしている事務所も多いでしょう。
それは悪いことではありません。
ですが、標準化の取り組むというのは顧客満足度とは逆の方向に動いているのだという認識は必要です。
(ちなみに標準化に取り組むと必ず顧客満足度が下げるわけではありません。)
それから、標準化することは価格が下がる、もしくは下げる圧力が強くなります。
価格競争力を高めるたり、短納期を実現するためにとられることが多いです。
逆に顧客満足度をあげようと思えば、カスタマイぜーション。
お客さんごとにきめ細かいサービスを提供するほうが理にかなっています。
マーケティングがあまり得意ではなかったり、特別なコネがなかったりする場合は標準化よりもカスタマイぜーションのほうがあう事務所が多いでしょう。
注意点としては、顧客満足度が価格、単価と結びつかないこともあるという点。
相場感のある商品、サービスの場合だとお客さんが価値を感じる部分でカスタムしないとそれを価格転嫁できないことケースが多くみられます。
そういう場合には、最初のサービスを標準化しながら次のサービスでカスタマイぜーションできるようにしていくやり方をおすすめします。
ここがほとんどの税理士事務所にとって課題になってくるのですが、単品商売をしていると最初の商品とか次の商品とかできないので、商品戦略にも取り組むのをおすすめします。
差別化はトレードオフを考える。
標準化とカスタマイぜーション。
ぜひ先生の事務所の経営に取り入れて下さいね。