from 福元友則
先日ある先生と
AI活用について話していたときのこと。
AIを使うようになって
仕事はかなり速くなった。
資料作成も早い
文章もすぐにできる
調べものにも時間がかからない
AIって本当にすごいですよね。
使えば使うほど
できることが増えていくので
どんどんはまっていきます。
これだけ仕事が速くなれば
事務所も儲かるようになりそうです。
でもしばらく使ってみると
こんな違和感が出てきます。
仕事は確かに速くなった。
でも結局
そんなに儲かってないやん、、、
なぜこんなことが起きるのでしょうか?
今年発表された中小企業白書を見ると
その理由が少し分かります。
白書では稼ぐ力を高める取り組みを
大きく二つに分けています。
一つは
AI活用やデジタル化によって
少ない人員や時間で仕事を回すこと。
もう一つは
価格転嫁や成長投資などによって
付加価値額を増やすことです。
つまり
仕事を速くすることと
付加価値を増やすことは
別の取り組みなのです。
これは税理士事務所にも当てはまります。
税理士事務所がAIを使う一番の理由は
人を減らして利益を増やすことではありません。
採用できない
採用しても定着しない
今いる職員にこれ以上負担をかけられない
だから少ない人数でも
今の業務を回せるようにするために
AIを使っている事務所が多いと思います。
これはとても大事なことです。
ただしそれだけで儲かるようになるわけではありません。
この構造は
「7つの習慣」で紹介される
バケツと石の話に似ています。
バケツに小さい石から入れると
後から大きい石は入りません。
でも大きい石を先に入れれば
その隙間に小さい石も入ります。
税理士事務所でいう小さい石は
日々の業務です。
記帳
申告
チェック
資料作成
顧問先対応
職員からの質問
AIを使えば
こうした小さい石を
より早く入れられるようになります。
でもその結果
時間が空くとは限りません。
小さい石を早く入れられるようになると
さらに多くの小さい石を
入れられるようになるからです。
もう少し顧問先を担当できる
この仕事も自分でできる
この依頼にも対応できる
そうしているうちに
バケツは前より早く
小さい石でいっぱいになります。
すると
顧問料を上げるための提案を考える
顧問先への新しい価値をつくる
事務所の将来を考える
中核となる商品やサービスを育てる
こうした大きい石を入れる余地が
ますますなくなってしまうのです。
特に小さい事務所では
大きい石を入れられるのは
所長しかいないことが多いです。
だからAIで時間が空いてから
付加価値の高い仕事を考えようとしても
なかなか実現しません。
空いた時間は
また日常業務で埋まるからです。
AIで小さい石を
早く入れることは必要です。
でもそれ以上に大切なのは
先に大きい石を入れることです。
付加価値を生み出す時間を
先に予定へ入れる。
その残りの時間で
AIを使って日常業務を回す。
この順番が重要なのです。
AIは時間をつくってくれる
魔法の道具ではありません。
使い方を間違えると
小さい石を詰め込むスピードだけが上がり、
大きい石を入れる余地を
ますます失ってしまいます。
先生の事務所では
AIを使って何を増やそうとしていますか?
処理できる業務量でしょうか?
それとも
顧問先に提供する付加価値でしょうか?
AI活用を考える前に
先生にしか入れられない大きい石を
先に決めておく必要があるのかもしれませんね。


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