From:福元友則
ちょっと前にサザエさんのCMを東芝が降板するというニュースを見ました。
サザエさんは1969年10月にはじまったそうですが、東芝の1社提供でスタートしたそうです。
家電市場が頭打ちになった1998年に1社提供を終了して今の形態になったそうですが、実に48年にわたってCM提供してきたことになります。
最高視聴率は39.4%を記録。これはアニメ歴代視聴率3位になるそうで、まさに「国民的番組」です。
家族で見られる番組で、日曜日の時報的役割も担っているとされています。
サザエさんシンドロームなんて言葉もあるくらいです。
こんな番組を1社提供していたんだから東芝ってすごいって話ではなく、時代の移り変わりをすごく感じますねというお話です。
日本の電機メーカーが隆盛を誇っていたのも今は昔で、急激に凋落してしまいました。特に東芝は白物家電で国内初というものも多くまさにこの業界のリーダーだったのですが。
ところが今や成長事業のほとんどを売り払い、国内に残された原発の廃炉会社となりそうです。
この電機業界は非常に競争が厳しい業界です。
新商品をリリースしても各社の性能がほとんど変わらないため(正確にはお客にはそう見えるため)激しい価格競争に巻き込まれてしまいます。
四半期もたてば、新商品がリリースされるためすぐに旧モデルになってしまいまた値崩れします。
こんな業界で勝負していれば、各社ともに体力が減少していき国内競争ならいざしらず、国際競争に巻き込まれては勝負になりません。
これは何も電機業界だけに限った話ではなくすべての業界に通ずることです。
もちろん税理士業界にもです。
商品には、競争の5段階があります。
はじめて商品が市場にリリースされてから、市場から消えるまでにたどる軌跡はほとんど同じなのです。
そして商品が市場から消える前にたどり着く最後のステージが激しい価格競争のステージです。
このステージに入ってしまうとお客さんが商品の購入を決める一番の要素が価格になってしまいます。一番安い価格を提示できた会社の商品が売れるということです。
なので各社、いかにして安売りを実現するかという価格競争力の勝負になります。
お互い利益の削りあいの世界です。シェア争いをして小さく資金力の乏しい会社から退場になります。
最後には大手5-7社しか市場に残れない寡占市場になります。
一度値崩れした商品の価格が上がることはありません。
顧問料の値下げや、価格競争に困っているという相談は日増しに増えてきています。
その時にアドバイスすることは、一度下がった価格はもとには戻らない。
どんどん下がり続けるだけだということです。
新しい商品、サービスを展開していかなければいけません。
税理士業界も新しいステージに踏み出すタイミングだと思います。
これはそのタイミングを知らせる合図なのです。
ー福元友則
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