From:福元友則
先日、知人と話をしている時に面白い情報を教えてもらいました。
その話が、税理士事務所の経営課題を考えるうえでぴったりだと思いましたのでシェアします。
東京の中目黒にとても面白い自転車屋があるそうです。
この自転車屋、他の自転車屋とはビジネスのやり方が全く違っていて話題になっているのだとか。
しかもただ違うだけでなく、シリコンバレーでも人気の最新のビジネスモデルを取り入れているというのです。
自転車屋と聞くと、街のサイクリングショップみたいなのを想像すると思います。
店内にたくさんの自転車を並べていて、自転車を売ったり、パンク修理をしたりというタイプの昔ながらの自転車屋です。
そういったお店の数はどんどん減少していっています。
主な原因は、店主の高齢化、後継者不足、技術者不足だそうです。
が、一番大きな原因は、大型店の躍進のようです。
というのも、店舗数は年々減少していっているのに、販売台数はほとんど変わらないからです。
大型店は品揃えもよく、大量販売できるスケールメリットにより、仕入れ価格をおさえ、よそよりも安く売ることができるため躍進していると考えられます。
では、街の自転車屋は大型店と競争してさらに安く売るしか生き残るすべはないのか?というとそうとが限りません。
どこに目をつけるべきかというと、これから伸びるところで粗利をたくさん稼げるところです。
自転車屋でいうと、電動アシスト自転車とかスポーツ自転車と呼ばれる高額な自転車がよく売れるようになっています。
なので、もしこういった高額商品を売ることができるなら生き残ることができる。そう考えたのが冒頭で紹介した自転車屋です。(インタビューしたわけではないので正確にはわかりませんが、、、)
彼らが他と差別化するために、生き残るために、大型店に対抗するために、何をはじめたのかというと、、、
「好きな自転車に乗り放題サービス」をはじめました。
このサービスは、購入すると20万円ぐらいする高額な自転車を月額3,500円ぐらいでレンタルするサービスです。
オプションとか細かい規約とかは色々あると思いますが、彼らは自転車業界に継続課金モデル(サブスクリプションモデル)を持ち込んだのです。
このサブスクリプションモデル、今シリコンバレーで大人気のビジネスモデルなのです。
人気の理由は、収益の予測が容易なので、投資家としては投資がしやすい、ベンチャー企業は資金を集めやすいという特徴があります。
この乗り放題サービスが話題になり、とても人気で予約待ちが続出しているのだとか。
じゃあさぞ儲かっているのかというと、そんなことはなく、赤字サービスだというのです。
じゃあなぜこの自転車屋は赤字になってまでこのサービスをやるのか?
それは、高額な自転車がバンバン売れるからなのです。
乗り放題サービスを使ったお客さんのうち一定数はそのままその自転車を買い取るそうです。
つまりこの乗り放題サービスは、中古の自転車という高額商品を売るためのプロモーションの一つだとみることもできるのです。
さて、これを税理士事務所にあてはめてみるとどうでしょうか?
税理士事務所も継続課金型サービスである税務顧問サービスを主にしています。
ですが、ほとんどの事務所はこれを増やして儲けようとしているところがほとんどです。
継続課金型サービスを購入したお客さん向けに提供できる高額サービス、高額商品はありません。
これがないことによって、本来得られるはずの売上、利益を逸してしまっています。
高額サービスがないことが経営課題だと気づいていないばっかりに、新規獲得しないと売上が増えないと経営課題を誤認してしまっている先生もいらっしゃるかもしれません。
この自転車屋の話を参考に経営課題の見直しをされることをおすすめします!
最先端の事務所はここを経営課題に設定して対策に取り組みはじめていますよ!
ー福元友則