from 福元友則
マーケティングの大家にコトラー博士がいます。
先生も一度は名前を耳にしたことがあるのではないでしょうか?
コトラー博士は、マーケティングは心理学と社会学と人類学の混合だといっています。
僕もマーケティングの半分は社会心理学だと思っているので全くの同意です。
(個人が動くのは心理学なのですが、個人の心理は社会性によって影響されるので社会心理学だと思ってます。)
コトラー博士は以前インタビューでこんなことを言っていたそうです。
「消費者が今のハイテクの世界で失ってしまったのはハイタッチです。
そして真の人間関係から得られる満足感や、誰かが気にかけてくれるという安心感がなくなったことを残念に思っているのです。」
「もし、店に入っても店員に知らんぷりされたり、レストランで料理が機会的に運ばれてきたり、、、
笑顔さえも機会的だったり、、、したら、その店に対してあまり親近感はわかないでしょう。
消費者が得ることができなくなったのは“感情”なのです。」
「かつてブランドは、十分に理解されたニーズに対する完璧な解決策とみなされていました。
しかし、完璧な解決策を謳うことで、消費者を失望させる結果になってしまいました。
つまり、ファンタジーを売っていたのです。
たとえば「この車に乗ればあなたは異性を虜にできる。
だからぜひ買うべきだ。」
というようなメッセージを発信していました。
マーケティングとは過剰な約束だったのです。
「マーケター側は、売ってしまえば、買った人があとでどう感じるかなど気にする必要はないと思い込んでいました。
でもそれは間違いです。
過剰につながりあった今の社会では、消費者が非常に重要な支援者であることを忘れてはなりません。」
「今の社会は真の親しさや経験に飢えています。
ブランドは人間らしく、信頼できるものになる必要があります。
完璧になろうと思い込まないことです。
人間中心のブランドは、顧客を友人として扱い、顧客のライフスタイルに不可欠な存在になるべきです。
ブランドはもっと人間に近づかなくてはなりません。
親やすく、好ましく、無防備になるのです。」
差別化を考える時にとても重要なことです。
ハイテクで効率化して規模の経済で価格競争を勝っていく、そんなやりかたもあります。
しかしその真逆、アナログでハイタッチで価格競争を放棄し、魅了したお客さんと一緒にビジネスをしていく、、、
そんな道もあると思っています。
全国展開するようなやり方とローカルで勝負するやり方は全くの別ものです。
ぜひ事務所の戦略を考える際にはハイタッチも考えてみてください。