from 福元友則
すでにご存知のことと思いますが、今年の3月に中小企業円滑化法が終了しました。
2013年に法としては既に終了していましたが、その後も金融庁が任意協力を求め、報告が継続されていたものが、今年その報告も休止としたため実質終了となりました。
金融円滑化法はリーマンショックによる大量倒産を防いだ代わりに、大量にゾンビ企業を生み出してしまいました。
収益を悪化させた時と同じ旧来型のビジネスモデルのまま、変わる気力のない社長、
お願いすれば銀行はまた借換してくれるというような、他力本願の社長をたくさんみてきました。
日本経済の根本的問題の1つは賃金が上昇しないことです。
これが世界の中で日本だけデフレになり、ほぼ経済成長できていない原因です。
中小企業は、自社の競争力の低下を低価格戦略にすることで補ってきました。
同じものを以前より安くすることで、なんとか売上を確保し続けてきたのです。
その結果、売上は緩やかに右肩下がりに推移し続けました。
減ってはいるけど、そんなに減っている感覚がないのです。
件数が減るのではなく、単価が落ちているだけだとそんなに痛みを感じなくなってしまいまっているのです。
そのため、改革をするのではなく、その場そのぎの応急措置を繰り返すことになります。
また低価格戦略の原資は原価や賃金を低くすることにあります。
これでは当然給与アップすることはできませんし、新しい人材を雇用することもできません。
変わらないことを是とする人材ばかりの企業ができあがってしまいます。
こうして変われない企業は、10年前でも古かったビジネスモデルを刷新することなくさらに10年使い続けることになってしまいました。
本来ビジネスモデルを改善、刷新することで価格を上昇させ続けなければいけません。
高く売ることができる商品、サービスがあって利益が確保されるからです。
こうしたことは、以前からある商品にはできません。
なぜなら同じものは時間がたつほど価格が下がっていってしまうためです。
ですから、企業は体力があるうちに次の商品を開発していけなければいけないのです。
これは顧問先であっても、税理士事務所でも同じです。
価格維持が難しくなってきたなとか、安くするライバルが増えてきたなと思ったらタイミングです。
一見、同じことを続けるほうが楽に思えますが、新しいことに取り組み続けるほうが長く楽に経営し続けられます。
顧問先にもぜひ新しいことに取り組む重要性を伝えてあげてください!