From:高名一成
昨日のお昼休憩の時間に何気なくネットサーフィンをしていると、こんな記事に目がとまりました。
「買い取りバイク王、2期連続赤字」
バイク王を知らない人は、おそらくあまりいない様な気がしますが、いかがでしょうか?「バイクを売るならゴー、バイク王~♪」といったCMがよく流れていたので、ほとんどの人が知っているのではないかと思います。
バイク王は2輪車の買取最大手です。僕も昔、スクーターに乗っていたのですが、ある時に乗らなくなったので買い取ってもらった覚えがあります。
そのバイク王が上場以来初の2期連続赤字となり、業績が急激に悪化しているそうです。
バイク王はご存知の通り、買取専門店としてスタートし、広告に莫大な資金を投資し、大量の顧客を集めバイクを買い取っていました。それを転売して儲けを出すというのが基本的なビジネスモデルです。
これで順調に業績を伸ばしてきたのですが、今はそれが衰退してきているそうです。
理由はいろいろある様ですが、一番の理由は競合が増え価格競争になっているからです、、、
転換は価格競争になったら!?
バイクを売るユーザーは当然ですが、なるべく高く買い取ってほしいと思っています。なので、売るときにどこが一番高く買い取ってくれるか?を調べた上で買取の依頼をするという行動パターンになります。
今は価格比較サイトなども充実しているので、そこにアクセスをすると、「バイク王より高く買い取ります」といった様なダイレクトなメッセージがあるそうなんですね。
これが、原因で買取の減少を招いているそうなんです。つまり転売するための商品が無いので、売上を作ることができません。
さらに、買取側としては、なるべく安く買取をしたいはずですが、競合の影響で以前より高値になっているようです。で、売るときはなるべく安くと。
つまり、利幅が小さくなり利益の減少につながります。
一度、価格競争に突入してしまった事業をもとに戻すことは容易ではありません。ほぼ不可能と思っていいでしょう。なぜなら、ビジネスモデルが非常にシンプルで、マネをしやすいからです。なので、現実的にはもとに戻すところか、さらに競合が増え、より価格競争が激化するはずです。
この状態から事業を成長させるため考えるべき道は次の2つです。
①価格をさらに安くして大量の顧客を集め競争を勝ち抜く
②別事業や新商品を開発し勝負する
①は今まで通りにやるということです。価格競争に真っ向から立ち向かい勝負するという道で、薄利多売をつきすすめるやり方です。
②は今までとは別の事業や商品を開発し、それを売ることで成長させていくというやり方です。
価格競争に突入してしまった時には、どちらのスタイルで事業を伸ばしていくのかを考える必要があるということです。
どちらにするか?いつやるか?
これはバイク王だけの話ではなく、全てのビジネスに共通する話なので、今日はこの話をシェアしようと思いました。
バイク王は②のやり方も始めています。現在は、薄利多売モデルを得意としている大企業でもビジネスモデルの転換を迫られている時代です。
税理士業界も何年も前から税務顧問は価格競争に突入しています。
なので、どちらのスタイルにするのか?どのくらいのバランスでどのくらいの事業にするのか?それをいつ、どのくらいのスピードでやるのか?
これをきちんと考え行動していくことが経営者の役割であると思っています。今後の事務所経営の参考になれば幸いです。
ー高名一成