From:高名一成
「もし、お客様を「安さでしか呼べない」と考えているのならば、間違いです。安さでしか判断できない売場を私たちが作ってしまっているのではないでしょうか?」
「ものが売れない原因はほかでもない、店にあるのです。私たちが、商品価値をお客様に伝えなければならないのです。」
この言葉は、群馬県高崎市にあるスーパーマーケット「まるおか」のオーナー丸岡守さんの言葉です。
地域にある一般的なスーパーマーケットと言えば「安さ」がウリです。
安く売れる野菜やお肉、魚などの食品をたくさん売場に置くことで価格競争力を生み出し、集客をして売上を作っています。
ですが、この「まるおか」は違います。
オーナーの丸岡さんが自分で探してきた本当に「美味しい」と思った商品を売場に並べ、それを販売することで売上を作っています。
そのほとんどの商品が全国の生産者さん達が手間隙をかけて育てているものです。
もちろん手間隙をかけているので、量産できるような商品ではありません。
なので、店頭に並ぶ商品はどれも一般的なスーパーと比べるとはるかに単価が高いんです。
例えば、一般的なスーパーでキャベツ1玉100円で売っているところを「まるおか」では398円で販売しています。(もちろん、キャベツそのものが違います)
約4倍の価格になっているのですが、「まるおか」ではこういった商品を当たり前の様に売ることができます。
それは「商品価値をきちんと理解してもらう」ことに力を入れているからです。
試食販売やPOPや接客時にきちんと価値を伝え理解してもらうことで高価格でも売ることができています。
結果、そういったお客様はお店のファンになってくれるそうなんですね。
事実、「まるおか」には東京や軽井沢から月に何回も通ってくれる常連のお客さんもいるそうです。
一般的なスーパーマーケットの商圏は10㎞以内と言われているなか驚きです。
そして、平均客単価は3,500円とのこと。ちなみに全国のスーパーの平均単価は2,000円以下です。
僕はマーケティングやセールスにおいて価値をきちんと伝えることが一番大切だと考えています。
なので何度もこのブログでもシェアしています。(伝え方や大切さは他の記事を読んでください!)
価値を伝えることができるからこそ、一見「高価格だと思われる様な商品」が「適正価格な商品」に変わっていくんです。
なかには戦略上、安くする商品もありますが、僕は価値作りと価値訴求をすることで、どんな商品でも今より高く売ることができると思っています。
よく、税理士事務所のコンサル部門の担当者や先生から月額10万円は高すぎて提案できないとか、お客さんに提案したけど高すぎると言って断られるという話しを聞きます。
でも、そのほとんどは価値を作れていなかったり、価値訴求をきちんとできていません。
なので、担当者もお客さんも月額10万円が高すぎるという判断になってしまうんです。
例えば、
そのサービスを提供することでクライアントにはどのくらいのリターンを与えられるのか?
そのサービスは他にやれる人がいるのか?
そのサービスをクライアントが内製化しようと思うとどれくらいコストがかかるのか?
そのサービスを利用しない間に発生する損失、あるいは得られるはずだったのに逃したチャンスはどれくらいあるか?
こういったことを考えて価値作りをすると提供しようとしているサービスが高すぎると思わなくなるはずです。
僕は価値作りをすると、いつもこれ安すぎるんじゃないか?自分が損しているんじゃないか?と思ってしまうくらいです。
お客さんにもその価値をきちんと訴求できれば高すぎるなんて思われることはありません。
「高すぎる」が「適正価格」に変わるんです。
僕は今日紹介したスーパー「まるおか」の本を最近読みました。
もし、あなたや職員さんが高く売ることに抵抗があったり、お客さんに高すぎると断られることが多いのであれば、この本はそういったマインドセットを変えるきっかけになるのでは?と思ったので紹介しました。
これからの時代は人口も会社も減少してきます。
なので、うまくいく経営のスタイルは「量」より「質」を求めることです。
量をとらずに質を求めるということは少ない客数で経営をしてくことになります。
なので1顧客あたりの客単価を増やしていかなければ経営は成り立ちません。
そんな時に高価格だから、、、なんて言っていたら会社は右肩下がりに業績が悪くなってしまいます。
あなたも価値作りと価値訴求を考えぬき、「高価格」を「適正価格」に変えていきましょう。
高いのではありません。
適正価格にしてあげられていないだけです。
ー高名一成