経営戦略

税理士業の紹介元も存続が危うい

From:福元友則

 

税理士業界ですべての事務所に共通している営業のやり方が「紹介営業」。

 

紹介営業をする時には誰に紹介を依頼するかが重要です。
(もちろん紹介してもらえるだけの魅力が事務所にあることが前提です。)

 

ほとんどの事務所は既存の顧問先からの紹介がメインになっていますが、このやり方だけだと正直どれだけ紹介があるかわからないため、今年の売上を予測することが困難です。

 

今年何件顧問先を増やせるか分からないということは、将来の顧問先数にあわせて先に手を打つことが難しくなり、そのしわよせはスタッフにいきやすく、そのためブラック事務所化しやすくなってしまいます。

 

顧問先が増えることが、スタッフの離職に理由になりがちです。

 

税理士業界の離職率がきわめて高い一つの理由で、人材が安定しないということは将来に渡って常に経営が不安定になることを意味します。

 

ですので、こういうことを分かっている事務所は新規獲得の件数も安定させることで安定して成長していける事務所づくりをしたいと考えています。

 

冒頭に戻って、「紹介営業」。

 

安定成長に取り組んでいる事務所は紹介営業でも、顧問先からの紹介という不安定なものをメインにしていません。

 

どれだけの紹介を安定的に得られるかを考えると、必然的にどこから紹介してもらうかを考えなくてはなりません。

 

そうなると、多くの法人を顧客に持つところに紹介してもらうことになるわけで、その代表格が銀行になります。

 

そう考えて今まで戦略的に銀行と付き合ってきた先生もたくさんいらっしゃいます。

 

ところが、その銀行から今後紹介をもらえなくなるかもしれないのです。

 

マイナス金利になって以降、銀行の収益は激減していっています。
経営危機に直面しているところもいくつもあるとか。

 

地方銀行に至っては本業から得られる利益が平均で約20%減ってしまったそうです。

 

今までやってきた利ざやビジネスができなくなり(本業でもうけがでなくなり)、今は有価証券の運用で収益を確保をしているようです。

 

ところがここに金融庁から「運用体制や運用ノウハウに問題がある」と指導が入り、また早々に収益源を失うことになるとの考え方が主流のようです。

 

この状況が続けば、地域経済に十分な融資をすることもできなくなる恐れまであるそうです。(顧問先が経営を続けていけなくなるかもしれません。)

 

もし特定のところからの紹介に営業を頼っていると、紹介元を失った瞬間、自社の営業は機能不全になります。

 

そうならないためにも、自社だけで顧客を獲得できる仕組みをきちんとつくっておくことをオススメします。

 

今はものすごいスピードで物事が変化していっています。
何か問題が起きてからそれに対処する対処療法をするとスピードが追いつかない、経営の立て直しが間に合わなくなる可能性のほうが高いです。

 

様々な変化を予測し、それに対応できるように手を打っていく。
そういったリーダータイプの社長がこれからの時代に生き抜いていく会社には不可欠だと思います。

 

ー福元友則

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