From:高名一成
日本の企業は海外企業に比べて「収益性が低い」と言われています。規模の割に儲かっている企業が少ない傾向にあります。
理由の1つに経営スタイルの古さがよく挙げられます。
その古さの1つは経営目標を利益ではなく売上高やシェアを重視していることです。
経営において売上を重視するのは大切なことですが、最終的に利益が出ていなければ意味がありません。
売上を増やそうと新規集客ばかりしていると逆に利益が減っているなんてことはよくあることです。
反対に利益を増やすために既存客のリピートや客単価アップばかりやっていると、新規客が増えないため、既存客が一巡してしまうとやれることが無くなってしまいます。
ようばこのバランスが大切なんですが、日本の企業はこのバランスが悪く、ほとんど新規集客ばかりやっています。
ですから利益が低く儲からない体質になっているんです。
今後はこれを変えていく必要があります。
これからの税理士業界に求められる戦略には次の2つのことが必要です。
1つは薄利多売モデルからの脱却です。
安い税務顧問でたくさんの顧問契約を増やして売上を増やすのではなく、高額商品を売って儲かる利益構造を作る必要があります。
薄利多売モデルで儲けるのは非常に難しく、この戦略は一強多弱にしかなりえません。それも千三つの世界です。
それにこれからの日本ではこの戦略で成功するのはもっと難しくなってきます。
それが2つ目のことにも関わってくるのですが、2つ目は少ない顧客でも成長できるモデルを作ることです。
これからの日本は人口減少社会です。
2025年を最後に労働できる層の人口は減り続けることが予想されています。
おそらく、人手不足で困る企業がたくさん出てくるし、それが原因で倒産解散してしまう企業が増えることも考えられます。
今、企業は業績不振により10年で60万社ずつ減っていくトレンドになっているんですが、今後は人手不足による倒産も相まって、さらに企業数は経っていくでしょう。
このことから、たくさんの顧客を獲得して儲けるビジネスモデルは成立しづらくなることが分かります。
この影響は税理士業界に限らない話しなので、今後少ない顧客で経営できるビジネスモデルが主流になってくるはずです。
これは冒頭の話で言うと、新規集客ではなく、客単価の部分、つまり顧問料アップにフォーカスすることが大切だということです。
今までは、これが大切だと思っていた人も、これからは真剣に形にしていかなければいけません。
ぜひ、時間をとって考えてみてください。
ー高名一成