From:福元友則
経営計画をたてる時にほとんどの社長がつまづくところがあります。
経営計画の話をするとたいていの社長は饒舌になります。
あまり自分の事業のことを聞かれることがないので嬉しくなってついつい話し込んでしまう感じです。
社長によっては興奮して何の話をしているのかわからなくなることもあるのですが、ある質問をするとたいての社長は黙り込んでしまいます。
それは専門用語でいうと事業ドメインについてです。
事業ドメインとは、事業領域のこと。
もっとかんたんに言うと、誰に何をどうやってを決めることです。
事業ドメインを考えたほうがいい理由は主に2つあります。
1つは教科書的ですが、大企業の場合やある程度の年数事業をやっている場合によく見られる現象で事業の多角化対策です。
会社が成長するためには多角化経営が必要です。
これもよく勘違いされていますが、会社の成長のためには多角化経営が必要です。
伸びない商品を扱うより伸びる商品を扱うほうが会社を成長させやすいからです。
つまり成長するためには扱う商品を変えていかなればいけません。
しかし多角化経営には悪い面もあります。
それは、多角化することでリソースがどんどん分散していってしまうこと。
リソースは分散させるより集中させるほうが成長に貢献します。
ですので、リソースを分散させるのを防ぎ集中させるために事業ドメインの設定をおこなう必要があるのです。
多角化経営をしながら選択と集中をはじめるとそれがきっかけで成長しはじめます。
もしリソースが分散している顧問先があれば、ぜひ選択と集中に取り組んでももらってください。
次に小規模企業の場合。
たいていは起業した商品や事業だけをやっています。
5年もすればおそらくほとんどの会社は成長もとまってしまっているでしょう。
今、そんなに長く成長するような商品も市場もないからです。
そして今後は伸び悩みだけでなく、売上が下がり始めます。
そんな状況でこれまでの商品や事業に固執しても、どれだけ改善を頑張ってみてもやるほどの効果を得られません。
会社の業績は外部環境による影響がかなりあるからです。
どんなにいい商品でも競合が似た品質で安く出してしまえばお客さんは当然競合から買います。
またその商品の需要そのものが減っていけば、商品の品質をどれだけ上げていってもそれが業績に転化されるわけではないからです。
彼らがやるべきことで、見落としているものは足元にあるチャンス。
新しい事業や商品の機会です。
これを見つけるきっかけが事業ドメインを考え直す時だったりします。
普段はこの商品をどうやって売るかとかをついつい考えてしまいます。
視野がせまくなっているのでチャンスにもきづけません。
視野をひろげてチャンスにきづいてもらうために事業ドメインを考えてもらうのです。
こうした顧問先の場合、正直経営計画そのものはどうでもいいです。
年初にたてる予測と大きく違うことになることはそんなにありません。
ですから社長も経営計画をたてても自分にも会社にも何も変化がないと思っています。
やるべきは経営計画のなかでも事業ドメインを考えることでチャンスにきづき、新しいことに挑戦してもらうことです。
顧問先のアドバイスの参考にしてください。