from 福元友則
顧問料がどんどん安くなっていってると困っている税理士の先生がけっこうたくさんいらっしゃいます。
顧問先は増えているんですけど、顧問料が安くて以前より大変になっていってる気がします。
こんなことをおっしゃる先生もいらっしゃいます。
なぜ顧問料が高くても顧客獲得できる事務所がある一方、顧問料がどんどん安くなっていってしまう事務所が多いのでしょうか?
それにはもちろん色んな理由があります。
例えば、商品そのものの価値が下がっていってる場合。
価値が下がってる場合に、その商品を以前よりたくさん売ることだけで解決しようとするとなかなかしんどい経営になっていってしまいます。
こんな場合には、新しい価値を提供できるよう商品開発をするべきです。
例えば、代替手段がでてきたという場合。
これも同様に新しい商品を開発していくほうがよさそうです。
例えば、同じ商品が市場に大量にでてきたケース。
需要と供給の関係が崩れたという場合です。
これは競争が激化しているということ。
この場合には、競争戦略にのっとった新しい戦略が必要になります。
闇雲にやってみても打開できることはありません。
戦略の大家、マイケル・ポーターじゃ競争優位における基本戦略は3つだといっています。
1つめは、コストリーダーシップ戦略です。
これは低価格戦略とも呼べるものです。
価格を安くすることで、販売量を増やしていきます。
単純に売値を安くするだけだと儲けが出ませんので、同時にコストを削減する必要もあります。
通常、設備投資や大量仕入れなどが必要になるため資金力がないと効果を出すのがなかなかに困難です。
価格勝負は、お客さんにとって1番わかりやすいのですが、それはメリットでもありデメリットでもあります。
1番安いところしか選ばれないため、勝ち残れるのは1番資金力のある1社となってしまいます。
2つめは、集中戦略です。
経営のリソースをどこかに集中させる戦略です。
お客さんやチャネルなどに集中することが多いです。
地域専門とか飲食業専門とか通販専門店とかをイメージしてもらえるとわかりやすいかと思います。
以前までは商圏や顧客数が少なくなるので大企業が敬遠していたため、中小企業の得意な戦略でした。
最近は色んな事情から大企業がどんどん参入してくるようになり、中小企業の集中戦略はうまくいかないものが多くなっています。
3つめは、差別化戦略です。
差別化戦略は、他社との違いをうちだし高くても売れるようにする戦略です。
この戦略のポイントは、他社との違いを作り出すこと。
明確な違いであればあるほど、高単価で売れるようになります。
またお客さんから選ばれやすくなるため、差別化できればできるほどセールスの問題はなくなったいきます。
また新規参入が難しいほど先行者利得が得られやすく、長く儲けることが可能になります。
中小企業におすすめの競争戦略は差別化戦略です。
もちろん税理士事務所も同様です。
業界1位を狙うとかでないのなら、差別化戦略をどうやるか?
これを考え、実践していかなければいけません。
顧問先のアドバイスの参考にしてください。
また先生の事務所の戦略を考える際のヒントにしてください。