From:高名一成
7月1日、地元の神社にある富士塚に登ってきました。
富士塚は富士山を模して人工的に作られたミニチュアの山のこと。
僕の地元の神社の富士塚は毎年7月1日だけ登山することが出来ます。
だから、毎年この日は外出の予定は入れずに、この富士塚に登って山頂で参拝します。
ここ数年は、子供と一緒に登山するウチの親子イベントでもあります。
石段を登り切るまで、1分もかかりません。
毎年のことなのに、登り切るたびに「これで富士山に登ったと言っていいのか」と、ちょっと笑ってしまいます。
いまこれを書いていて思い出したのが、本物の富士山のトリビアです。
富士山と言えば、有名な話がありますよね。
登れば登るほど、飲食物の値段が上がっていくという話です。
登れば登るほど、値段が上がっていく
調べてみると、富士山の自動販売機は5合目で水が200円、6合目で300円、7合目で400円、8合目あたりからは500円になるそうです。
売店まで含めると、カップラーメンや缶ビールが1000円を超えることも珍しくないというから驚きます。
ふもとの自販機やコンビニなら、同じ水は150円くらいでしょう。
それが倍どころか、3倍近い値段です。
それでも、多くの人はそれで普通に払って買っていきます。
文句を言いながらも、財布を開くわけです。
選択肢がないから、高くても売れる
あなたは、なぜこんな値段でも売れると思いますか?
それは他に、選べる相手がいないからです。
富士山の山小屋には水道もガスも電気も通っていません。(送電されてるって話もあるみたいですが)
雨水をためた貯水タンク、発電機、プロパンボンベ。
生活に必要なものは、すべて自前で用意しています。
飲み物や食料は、麓からトラックで5合目まで運ばれ、そこから先は登山道とは別に敷かれた「ブル道」という専用の道を、ブルドーザーが2〜3時間かけて登っていくそうです。
それでも山小屋の目の前までは届かないので、最後はスタッフが人の手で担ぎ上げているとのこと。
登れば登るほど売店の数そのものが減っていき、山頂近くまで来ると、水を買える場所はほとんど残っていません。
だから、値段が高いのも当然と言えば当然ですし、お客さんからしたら、他で買うことができないので高くても買うしかありません。
マーケティングの世界にも、昔からよく似た話があります。
それは「エスキモーに、氷を売るにはどうすればいいか」という問いです。
エスキモーは、氷と雪に囲まれて暮らしている人たちです。
まわりに氷はいくらでもあるのに、それでも買わせるにはどうすればいいのかという質問で、普通に考えれば無理です。
そこにあるの使えばいいんだから、わざわざお金出して買わないよって話ですよね。
そんな中どう売ればいいかをみんな考えるわけですが、最初は誰もが氷そのものに手を加えようとします。
何か付加価値をつけられないか、品質や見せ方を変えられないか。
でも、どれも今ひとつ納得できません。
そこである人が、こう答えました。
「砂漠のど真ん中の、誰もいない場所に連れていけばいい」
それを聞いた瞬間、誰もが納得したそうです。
氷の中身は何も変わっていません。
富士山の山頂で水を売る話も、エスキモーに氷を売る話も言っていることは同じです。
値段を決めているのは、商品の中身でも値付けの上手さでもありません。
まわりに、他に選べる相手がいるかどうかです。
これは、税理士にもそのまま当てはまります。
「税務の相談なら、他にいくらでも先生がいる」と思われている限り顧問料の比較をされます。
でも「この悩みを解決できるのは、この先生しかいない」と思われた瞬間、比較されることは無くなります。
税理士は選択肢が多い仕事です
ただ、税理士は誰もいない砂漠で氷を売る人とは決定的に違う点があります。
ライバルが、とにかく多いんです。
顧問先の社長からすれば「どの先生に頼むか」という選択肢がいくらでもある状態です。
税務顧問の内容も料金プランも、なんとなく似ている事務所ばかりに見えてしまいます。
並べて比べられたら、最後に決め手になるのはだいたい値段ですよね。
選択肢の中の一人になるな
だとしたら、比較の土俵に乗らないことです。
「税務の専門家です」だけでは、まだ他の税理士と同じ棚に並んでいるだけなんです。
突き詰めるべきは、誰のどんな問題を解決できる先生なのか、ということです。
これはターゲットを絞り込むということにもなるので、これをやると他のお客さんを逃すんじゃないか。
多くの人はそう思ってしまいます。
ただ、実際にポジションを絞り込めた事務所ほど、逆のことが起きています。
「その悩みなら、あそこしかない」と思われて、比較の土俵にすら乗らなくなるんです。
顧問料の比較をされている先生は、商品や顧客対応のクオリティが問題になっているわけではありません。
たくさんいる税理士の1人に見られている…選択肢の中に入っていることが原因です。
「こんな先生探してました」と言われるオンリーワンのポジショニングをとりましょう。
あるいは、そういったポジショニングを作っていきましょう。
-高名一成
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