From:高名一成
最低賃金の話題をニュースで度々見ます。
僕が住んでる最寄り駅では最低賃金を2,000円にしろとデモみたいなこともおこなわれていました。
いま政府は1,500円という目標を掲げていて、今は全国の平均で1,100円ほど。
そこから毎年のように引き上げが続いていて、しかも上げ幅は年々大きくなっています。
ある調査では、中小企業の7割を超える会社が、最低賃金の引き上げを「負担」と答えているそうです。
あなたの顧問先の社長でも、同じ気持ちを抱えている人がいると思います。
「人件費、これからどうなるんですかね…」
「上げてあげたいのは山々なんだけど…」
最低賃金で問われる、税理士の立ち位置
税理士には、大きく2つの立ち位置があります。
1つは、サプライヤーという立ち位置です。
税金の計算や申告など、頼まれたことをきっちり片付ける関わり方ですね。
もう1つは、戦略的パートナーという立ち位置です。
社長の経営そのものに一緒に向き合う関わり方です。
どちらが悪いという話ではありません。
ただ、サプライヤーの立ち位置だけで関わっていると、待っているのはどうしても価格競争になりがちです。
「どこに頼んでも同じ」と思われやすいからです。
で、最低賃金の話ですが、社長にとって人件費は頭が痛いテーマのはずです。
なのに税金まわりの相談しかしていないと、社長の一番の関心事の「外」にいることになってしまいます。
最低賃金の上昇は、実は出番のサインです
最低賃金が上がり続けるのは、税理士にとってピンチに見えるかもしれません。
顧問先の資金繰りは厳しくなるし、相談も増えますから。
でも、見方を変えると、社長の一番の関心事に堂々と踏み込める口実ができたとも言えます。
そこで使えるのが、あなたが毎月見ている数字です。
例えば、労働分配率。
生み出した付加価値のうち、どれくらいが人件費に回っているかという数字です。
これをもとに、人件費がどれくらい利益を圧迫しているのか、最低賃金が上がっていくとそれがどう変わっていくのかを、社長と一緒に見ることはできますよね。
たったそれだけで、会話は税金の話から経営の話に変わります。
もちろん、いきなり「値上げしましょう」とか解決策をアドバイスする必要はありません。
粗利の高い仕事を1つ足すのか、利益の薄い案件を見直すのか。
解決策は会社によって違いますし、社長の意向によっても変わります。
ただ、あなたは毎月、その会社の数字を誰よりも近くで見ている人で、社長にとって頼りになる第三者です。
だから大事なのは、人件費が上がっても利益が残る形を社長と一緒に考えて、社長の味方になることです。
こうして社長の経営の悩みに寄り添うと、あなたは「税金をやってくれる人」から「一緒に会社を伸ばす戦略的パートナー」に変わっていきます。
そういう関わり方をしている事務所ほど、顧問料の単価も自然と上がっているものです。
サプライヤーで終わるか、パートナーになるか
最低賃金の話はこれからもたくさん話題になるし、社長を悩ませる種になるでしょう。
その時あなたは、顧問先にとって税金を計算してくれるサプライヤーでしょうか。
それとも、人件費の不安を一緒に背負ってくれる戦略的パートナーでしょうか。
社長が本当に頼りたいのは、きっと後者のはずです。
最低賃金というニュースを、顧問先との一歩深い関係づくりのきっかけにしてみてください。
-高名一成
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