from 福元友則
20世紀最高の経営コンサルタント
ピーター・ドラッカーは
こんなことを言いました。
「自分の商品やサービスを
自ら時代遅れにすることが
時代遅れにならない唯一の方法である。」
なかなか厳しい言葉ですよね。
でも僕は今の税理士業界にとって
とても重要な考え方だと思っています。
前号ではAIによって
競争環境そのものが変わってきた
という話をしました。
今までは専門知識や技術が必要だった仕事も
AIを使えば誰でもできるようになっていく。
そうなると
できること自体では
差別化できなくなっていきます。
だからこそこれからの税理士事務所には
顧問先へのリーダーシップが必要になる。
社長から相談されたことに答えるだけでなく
社長自身も気づいていない問題や可能性を発見し
より良い未来へと導いていく。
そんな話でした。
では顧問先をリードできる事務所になると
何が変わるのでしょうか?
例えば今までの税務顧問に加えて
社長の課題を発見し
経営について提案し
実行まで支援するとします。
当然ですが
社長との面談時間も増えますし
調査や提案の準備も必要になります。
ところが従来の顧問契約のまま
同じ顧問料で提供したらどうでしょうか。
顧問先にとってはありがたい話ですが
事務所にとっては
仕事とコストが増えるだけになりかねません。
もちろん差別化によって
新しい顧問先は増えるかもしれません。
でもそれで事務所が
儲かるようになるかは別の話になってしまいます。
顧問先が増えても
それ以上にコストが増えてしまえば
利益は残りません。
だから提供する価値を変えるのであれば
価格とパッケージも
変える必要が出てくるわけです。
では価格とパッケージを変えれば
それで十分でしょうか。
新しいサービスをつくっても
顧問先から税務の専門家としか
認識されていなかったら
なかなか相談にはつながりません。
だからポジショニングや
普段から発信する言葉も変わってきます。
さらにサービスを提供するには
社長の課題を発見し
提案するための業務工程も必要です。
そのためのスキルを持った人材を育てるなど
組織のあり方も変わってきます。
つまり顧問先へのリーダーシップを
差別化の中心にすると
ビジネスモデル
価格とパッケージ
ポジショニングと言葉
商品の提供方法
業務工程
組織
こうしたものまで
変わってくるのです。
ずいぶんな変化ですよね?
ところが税理士業界では
AIを使って業務を改善すること
つまり業務工程には目が向いていますが
経営そのものを変えることにまで
目が向いている先生は
まだ少ないように感じます。
これではせっかくのAI導入が
もったいないと思うのです。
AIは単なる便利なツールではありません。
競争環境そのものを変えているのです。
だから今の仕事を効率化するだけでは
環境変化への対応は十分ではないかもしれません。
これまでの税理士業界は
比較的保守的で
長年同じビジネスモデルが通用してきました。
しかしこれまでも
新しいビジネスモデルに取り組む事務所が
成長してきました。
AIによって競争環境が変わることで
この傾向はさらに加速していくでしょう。
そんな時代に
古いビジネスモデルをAIで改善するだけで
本当に大丈夫なのでしょうか?
ドラッカーの言葉に戻ります。
自分たちで変えなければ
競争相手が代わりに変えてしまう。
AI時代に何で差別化するのか。
その答えが決まったのであれば
それに合わせて経営の仕組みも
変えていかなければいけません。
先生の事務所では
AI時代の競争環境に合わせて
ビジネスモデルや組織を
自分たちの手でどう変えていきますか?



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