From:高名一成
少し前からB2B2Xと呼ばれるビジネスモデルが話題になっています。
B2CとかB2Bとかは聞いたことがありますよね。
これはご存知のことだと思うので説明は省きますが、もしかしたらB2B2Xは初めて聞く人が多いかもしれません。
B2B2XはNTTの中期戦略として掲げられた事業モデルです。最後のXとは一般消費者や企業などのエンドユーザーを指しています。
つまり、B(自社)→B(顧客を持つ会社)→X(エンドユーザー)という流れで顧客開拓をするビジネスモデルです。
真ん中のBをパートナー企業として事業展開をするということをNTTは掲げたのです。
こうやって考えてみると、中小企業においてはけっこう普通のことです。(ちょっとだけ違いますが)
JV(ジョイントベンチャー)で事業展開をすることはよくあることですからね。
税理士業界で言えば、金融機関と組んでとか、保険会社と組んでというイメージです。
JVをやるときに一番シンプルなパターンは「コンテンツ×リスト」で組むことです。片方の会社がコンテンツ供給をして、もう片方の会社のリストに対して販売するやり方です。
そして、利益を折半するとかが一般的ですね。起業してスタートアップしたばかりの時や新事業を起こす時はJVは有効な手段です。
始めたばかりの時はたいてい商品(コンテンツ)はあっても見込み客リストはありません。どんなにいい商品があっても売れなければしかたありませんよね。でも、JVをすることでリストが無くても売上を作ることができます。
それに、買ってくれた人は自分の顧客リストになるわけですから願ったり叶ったりです。
Next税理士Labのブログをいつも読んでくれているあなたであれば、もしかして感づいたかもしれませんが、JVをやる時は新規客獲得を目的にやると一番いいのです。
広告費をかけずに顧客リストが増えていくわけですから。
でも、相手あってのことなので、自分のやりたい様にいかないこともあります。JVは信頼関係が非常に重要です。だから、相手とwin-winになることを常に考えて企画を作り行動しなければいけません。
そして、何より大切なマインドセットは、「相手が先、自分は後」です。まずは、相手がやりたいこと、相手の望みをできるだけ尊重し、それを叶える手助けをしましょう。
自分のメリットを優先して進めるJVでうまくいくケースはほぼありません。仲違いするか、宙ぶらりんになって終わってしまいます。
人は「受けた恩は返したくなる」という行動心理をもっています。誰かに何かをしてもらったら、それを恩義に感じ、今度はそれを返したいという感情になります。
僕はひいきにしている飲食店がいくつかあります。そこの店主とも仲良くなっているので、お店に行けば話しをしますし、たまに差し入れを持っていったりします。そうすると、お店側からもサービスが出てきたりするんですよね。
これはまさに受けた恩を返してくれています。これを「返報性のルール」と呼びます。
実はJVはこの考え方が非常に重要です。もし、恩が返ってこなかったら、それはパートナーとして相応しくなかったんだと思って諦めましょう。
JVは基本的にうまくいかなかったり、宙ぶらりんになる確率が高いです。でも、売上アップには非常に有効な手段です。
ぜひ、こんなことに注意しながらJVをすすめていきましょう。
ー高名一成