経営戦略

値決めは経営

from 福元友則

 

件名の言葉はカリスマ経営者の稲盛さんが言った言葉です。

 

「経営の死命を制するのは値決めです。値決めにあたっては、利幅を少なくして大量に売るのか、それとも少量であっても利幅を多く取るのか、その価格決定は無段階でいくらでもあるといえます。
どれほどの利幅をとったときに、どれだけの量が売れるのか、またどれだけの利益がでるのかということを予測するのは非常に難しいことですが、自分の製品の価値を正確に認識したうえで、量と利幅が極大値になる1点を求めることです。」

 

 

ー稲盛和夫OFFICIAL SIYEより引用

 

ここ日本ではデフレに影響と大企業の影響とで、値決めはいかに安く売るかが重要視されてきました。

 

大企業の場合、大量に商品をつくることでコストをおさえて販売価格を安くすることで商品をたくさん売るというビジネスモデルを長く採用してきました。

 

このやり方は、販売数量を正確に見積もることができればある程度うまくいきます。

 

ですが、売れ残って在庫になってしまうリスクがあります。

 

今はお客さんのニーズがどんどんニッチになっていっています。

 

そのため、大ヒット商品がでにくくなっていっています。

 

ですから、ホームランを狙うよりヒットを狙う方針に転換していかなければいけません。

 

そこで注目を集めているのが、LTVマーケティングです。

 

LTVマーケティングというのは、1人1人のお客さんの価値をいかに高めれるかという目的のためにマーケティング活動をするものです。

 

今までが、いかにたくさん売れる商品をつくるかというのが出発点だったのに対して、いかに1人1人のお客さんにもっと買ってもらえるかという方針に変わってきているということです。

 

このLTVマーケティングをやるには、3つの商品が必要になります。

 

顧客価値を高めるための利益商品(高額商品)と、既存のお客さんと関係構築するための関係構築商品、それから新規のお客さんを獲得するための集客商品です。

 

この3つを揃えることで、顧客獲得のために安く売るということをやりながら、利益確保のために高く売るという一見すると矛盾したことを実現することができます。

 

税理士事務所の場合、単品商売をしているのでこのジレンマを解消できないんですね。

 

経営上の問題が、商品構成から発生しているのです。

 

件名の言葉にもありますが、値決めが経営なのに、値決めのコントロールを自分たちでできない状況に陥ってしまっているのです。

 

新規をとりにいけば顧問料を安くしなければならず、利益を犠牲にしてしまいます。

 

利益をとりにいけば顧問料を高くしなければならず、顧客獲得できません。

 

こうしたジレンマを解消するためにも、ぜひ商品ランナップを増やすことに取り組んでいってください。

 

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