From:高名一成
税理士事務所のHPを見ていて、気になることがあります。
ほとんどの事務所が「強み」をびっしり並べていること。
ところが、強みをきれいに並べたHPからは、なかなか問い合わせが来ないんですよね。
世の中では「事務所の強みをアピールしましょう」と言われがちですが、実はここに大きな落とし穴があります。
強みは、アピールするものではなく生かすもの
そもそも、強みはアピールするものではありません。
生かすもの。
仕事を進めるうえで、自分の得意なところを土台に使う。
これが強みの本来の役割です。
そのまま外向きに並べ立ててしまうと、強みのアピールは「自慢」とほとんど同じになります。
あなたの周りに自慢ばかりしている人がいたら、好きになれるでしょうか?
たぶん、距離を置きたくなりますよね。むしろ、自然と離れていくんじゃないでしょうか。
HPで強みを並べ立てるのも、これと同じ構造なんです。
強みばかり並べたHPは「自慢ページ」になる
多くの事務所が、HPに「強み」を書いています。
・月次の精度が高いです
・税理士歴20年です
・○○業界の実績があります
ぜんぶ間違ってはいません。
むしろ、正確に伝えようとする真面目な事務所ほど、こういう表現になります。
でも、これを並べた瞬間に、社長から見たら「自慢ページ」になってしまうんです。
「得意なのは分かったよ。で、自分は何が嬉しいの?」
そこまで届かないと、社長は「ふーん」とブラウザを閉じてしまいます。
ふつうに考えたら、当たり前ですよね。
社長は自分の悩みに関係ある部分しか読みません。
事務所の自慢ページを最後まで読んでくれる社長は、まずいません。
じゃあ、何をアピールすればいいのか
強みと似た言葉で「USP」というものがあります。
USPは独自の売り、と訳されるマーケティングの考え方です。
ここを強みと混同している人が多いんですが、強みとUSPはぜんぜん別物です。
強みは事務所目線で「うちが得意なこと」。
一方、USPはお客さん(社長)が得られる結果(ベネフィット)と、ほかの事務所にはない独自性、この2つを組み合わせたもの。
簡単に言うと、強みを社長の言葉に翻訳したものがUSPです。
例えば、
強み:節税に強い事務所
USP:節税で浮いたお金を、毎年1人の正社員採用に繋げる支援ができる事務所
強み:相続税申告が得意
USP:兄弟がモメずに、希望通りの遺産分割と最低限の相続税で着地する事務所
書いていることの裏側は、ほぼ同じ強みです。
ただ、社長や相続人が「節税」「相続税申告」を見たときに頭で思うことがぜんぜん違います。
前者はただ得意なことが分かるだけ。
後者は「人が採れる」「家族でモメずに、自分の希望通りに財産が残る」という自分へのメリットが具体的にイメージできます。
ここが、強みとUSPの一番の違いです。
ウチのお客さんの先生も、HPに「売上のアドバイスができます」みたいなことを書いてから、問い合わせがコンスタントに来るようになりました。
社長の悩みのトップは、ほとんどの場合「売上が伸びない」です。
そこに、売上アドバイスができる事務所と書いてあれば、社長の関心をひけます。
これは強みじゃなくて、社長の悩みに対する答えがそのまま置いてあるだけなんですよね。
もちろん、中には「うちは月次の精度が高い」と書いてあるだけで、その品質に気づいて選んでくれる社長もいます。
でも、それは少数派でしょう。
主語を変えるだけで、HPの反応が変わる
強みを並べるのか、USPで書くのか。
事務所も商品も同じです。
違うのは、主語が「うち」なのか「社長」なのか、それだけです。
その「だけ」で、HPが自慢ページにも、社長が前のめりになる答えにもなります。
あなたの事務所のHPに書いてあるのは、強みでしょうか? それともUSPでしょうか?
もし、強みばかりを並べているなと感じたら、1行ずつ「社長の言葉」に翻訳してみてください。
多くの事務所が強みになっていると思うので、USPにすれば一層際立つはずです。
-高名一成
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