From:福元友則
昨日、高名が大塚家具の身売り騒動について書いてましたが、僕も取り上げてみたいと思います。
もともとの大塚家具はお父さんが築き上げた高級路線の会社でした。
それを娘がもうすこし安い路線に変更して、広いマーケットをとりにいきたいみたいな感じでポジショニングを変えようとしました。
他の裏事情もあるとは思いますが、ポジショニングで意見が分かれ、結局別々の会社でやっていくことになったのですが、もともとの大塚家具は娘の新路線でいくことになったという騒動でした。
で今回、大塚家具が自力での再建が難しいということで身売り先を探しているという話なのですが、僕は最初の娘さん(ネット上ではかぐや姫なんて呼ばれていますね。最初???でしたが、家具屋の娘で家具屋姫らしいです!笑)のポシショニングを聞いたときにすぐダメになるなと思いました。
すべての業界は競争を繰り返し、2極化されていきます。
高級路線と安売り路線です。
経営者としてとっていいポジショニングはこのどちらかです。
もともとの大塚家具は高級路線のポジショニングで大成功しました。
しかし諸事情により、路線変更を考え高級路線でも安売り路線でもない中間の路線にポジショニングをシフトチェンジしようとしたのが間違いのはじまりです。
安売り路線では、ニトリやイケアなどすでに認知度抜群でその低価格を支えるオペレーションもしっかりしている会社が好調です。
この市場から顧客を自社に奪っていくためにやらなければいけないことは、他社と同程度のものを他社より安く売ることです。
さらに低価格路線にポジショニングしなければいけません。
しかし、生き残りをかけたこのポジショニングは功を奏しないことが多いです。
より安い価格で売るということは、よほど緻密なプランニングがない限り、利益をあげるのが以前より難しくなるからです。
逆に利益を考えると、より高級路線にポジショニングした方がうまくいくことは多いです。
どちらにしても、ポジショニングをするときに重要なことは「2極化するどちらの路線にいくか?」と「その路線で相手を上回れるか?」です。
これは会計事務所でも同じことです。
今、この2極化が進み始めています。
高額路線でいっているところも、低価格路線でいっているところもどちらも確実に経営をすすめていっています。
将来があやういのは、そのどちらでもない中途半端な中間に残されている事務所です。
どちらも一長一短なので、事務所の強みや先生の信条、キャラクターなどを考慮して決めるべきだと思いますが、早くどちらのポジショニングをとっていくのか決めないと先行している事務所にどんどん水を開けられてしまいます。
その転換点になるのが今年だと年初から繰り返しお伝えしていきました。
そろそろ各事務所内で議論が煮詰まってきた頃ではないかと思います。
どちらを選んでも、何が正しい決断なのかは後になってみないとわかりません。
でも経営者として大事なのは、その決断を正しい決断にすることです。
そのためにも、時代の転換点で早めに決断して動き出すことです。
まだ決めきれないという先生や事務所さんはぜひお盆休みの間にゆっくり考えて、お盆開けに議論してみてください。
ー福元友則