From:高名一成
先日、会員さんからこんな相談メールがきました。
「顧問先からコンサルの依頼を受けたけど、その顧問先の財務状況ではコンサル報酬を捻出する余裕がありません。何とかコンサルをして助けてあげたいけど、報酬を無料とか値下げとかはしたくありません。この場合はどうすればいいですか?」
とこんな相談です。
この様なクライアントからの相談はつらいですよね。でも見捨てることはできません。かといって報酬をもらわずにやることもできません。
業績は順調でさらに成長するためにコンサルを依頼する会社なら、こんな問題はありませんが、業績が下降ぎみの会社からの依頼の場合、このケースに遭遇することは珍しくありません。
コンサルをやっていれば、必ず一度は経験するはずです。
なので、その時に報酬をもらえないのであればやらないのか、それでも何とかしてやるのかは事前に決めておかないといけません。
ですが、顧問先であれば、やらないという選択肢はないと思うので、そんな時にオススメなのが「成果報酬」でやることです。
というよりこれしか方法はありません。
成果報酬は出した成果から設定した割合を報酬としてもらうやり方なので、クライアントはノーリスクでコンサルを受けることができます。
なので月額のコンサル報酬を支払う余裕が無いクライアントにピッタリなやり方です。
ですが、この成果報酬には注意点があります。
それは、成果の「定義」をきちんと作ることです。
まず、何をもって成果と呼ぶのかを決める必要があります。
そうしないと、この成果は「あなたにコンサルしてもらったおかげではなくて、ウチがやったおかげでは?」と言われてしまう可能性があります。
なので、例えばコンサルをした上で企画したキャンペーンでの売上のみを成果に設定し、キャンペーン以外で発生した売上は成果に含まないなど、あらかじめきちんと決めておく必要があります。
「原因」と「結果」をきちんと作り定義づけをしておかないと報酬算定の時に揉めて、そこでコンサルは打ち切りなんてこともけっこうあることです。
成果報酬はクライアントにリスクが無いのでスイスイ話しがすすみやすいモデルなので、この事前の取り決めを疎かにしがちですが、一度踏みとどまって、これを明確に決めてからスタートしてください。
逆にここを明確に決められないようなクライアントのコンサルはやらない方がいいかもしれません。
これさえ出来れば、成果報酬はとても有効な報酬モデルですし、資金に余裕の無いクライアントも助けてあげることができます。
ぜひ、この点に注意して成果報酬で資金の無いクライアントも助けてあげてください!
ー高名一成