From:福元友則
経営をしていくとどこの業界でも最終的にブランド戦略をとるか、価格競争をしていくかの2者択一になります。
ブランド戦略と価格戦略はトレードオフの関係どちらかしか選ぶことができません。
ブランド戦略をとれば価格競争をしかけることができませんし、逆に価格競争をしかけてブランド戦略をとることはできません。
ブランド戦略をとるということは、ハイプライス市場に参入することを意味します。
ハイプライス市場は、高価格だからこそ品質のいいサービスを受けられるだろう、そのことをきっちり保証してくれるだろうと考え、より高いサービスを求める市場のことです。
ですから、この市場は高ければ高いほど需要が高まります。
しかし、この市場のパイはとても狭く、市場全体の10%ほどしかないと言われています。
この市場は、古くから税理士をされていて、地域での知名度があり、また業界や関係団体から一目おかれている先生がすでに牛耳って手放さない市場になります。
ですから、ここから顧客獲得を考える場合、今の顧問税理士よりもハイポジションにいかなければ手がだせない、そういう特殊なマーケットになります。
こういう事情があるので今まではなかなか手が出しづらい部分がありましたが、これから多少チャンスが出てきます。
それは、税理士も事業者も双方事業承継をするかもしれないからです。
税理士が変われば、同じ事務所ではなく、よりよい税理士さんに変えようかという考えにいたっても不思議ではありません。
また顧問先で事業承継が起きた場合にも、先代とのつながりではなく自分に合う税理士を選びたいと考えたとしてもおかしくありません。
いづれにしても、このタイミングはめったにないチャンスになりますので、ハイプライス市場に参入したいとお考えの先生はチャンスを逃さないように常に機会を伺っておくことをおすすめします。
価格競争をしかけるのは、ロープライス市場になります。
この市場は、同じサービス(ここが癖ものですが、顧客からみて同じに見えるサービスのことです)であれば1円でも安いほうがいいという市場です。
ロープライス市場は、市場の約90%を占める巨大市場になります。
ですので、ほとんどの先生はこの市場を攻めたり、この市場で商売していることになります。
ロープライス市場を攻略するには2つの方法があります。
1つ目が、エブリデイロープライスです。
常に最安値を出せるように、業務を改善していくことです。
価格競争をして常に勝つことで顧客の欲求に応えるのです。
ただしこのやり方には、2つの問題があります。
1つは、常に最安値を出し続けることはどんどん利益を出しづらくなっていくということです。
製造ラインが機械であれば、生産コストを計算することができます。
しかし製造ラインが人間であるサービス業では、生産コストに常に上昇圧力がかかっており下げるどころか維持するので精一杯になりやすくなります。
つまり売値が下がる分、利益が圧迫されてしますことになります。
もう1つは、製造ラインの確保に問題がでてきます。
機械であれば稼働時間分の生産ができますが、人であるため初期投資をすれば生産量を安定させれるわけではありません。
現在は人材採用ができない時代になっています。
いくら注文をとってもサービスを提供できないのでは意味がなくなってしまいます。
ロープライス市場を攻略するもう1つの方法ですが、記事が長くなってきたのでまたの機会に紹介します。
楽しみにしてください!
ー福元友則