From:高名一成
高い商品を作ろう。
高い商品を売ろう。
客単価アップをしよう。
これらは僕たちが繰り返しお伝えしていることです。
なぜなら、業績を良くしていくためにとても重要なことだからです。でも一方で客単価は上げずに単価の安い商品を大量に売ることで業績を伸ばすという戦略もあります。
どちらの戦略がいいのかは企業によって変わることだと思いますが、時代は客単価アップをした方がレバレッジが効くのではないか?
先日そんなことを思う記事を見たのでシェアしたいと思います。
これは化粧品の資生堂の話です。
資生堂は、2017年の連結決算で大きく業績を伸ばしました。近年の売上は微増、微減を繰り返していた様ですが、2017年に大きく業績を伸ばしました。
売上高は前期比18.2%増、営業利益は2.2倍になりました。
これは同社的に驚きの結果だった様です。なぜなら、当社の予想を大幅に超えたからです。しかも、売上高は2020年に達成予定だった目標を3年前倒しで達成してしまいました。売上高以外の数字も大きく目標を上回りました。
これは経営者である魚谷雅彦社長の手腕がなしたことだと言われています。
資生堂は今まで名だたる大企業で経営者を務めてきた人を自社の社長に就任させ経営を託してきましたが、どなたも結果を残すことは難しかったようです。
魚谷社長は2014年に社長に就任したのですが、それまでは、コカコーラでジョージアや爽健美茶、紅茶花伝など数々のヒット商品を作り出したマーケティングのプロ中のプロです。
そして、そのマーケティング戦略を用いて就任4年目に大きな成果を作りました。
この成果の原動力となった戦略は大きく3つ。
ひとつ目はインバウンド、ふたつ目は米国の税制改正。そして3つ目が高価格帯商品の販売ということです。
とくに高価格商品の販売は増収金額の4割を占めました。
通常、大手企業がとる戦略は安くして大量に売る薄利多売戦略です。大量の資本を独自の仕入れや生産システムに投資することにより安くても利益が出る構造になっています。そしてそれを大量の人に売ることで業績を伸ばしています。
これは大手が得意としていて、いちばん利にかなった戦略ですが、ここにきて反対の路線をとりました。
その結果、大成功。
しかし、これは資生堂だけの話ではありません。他の業種、飲食業や小売業の大手企業でも高価格帯商品をリリースすることにより大きく業績を伸ばしています。
でも、これはおかしなことではありません。マーケティングの原理原則から考えると当然のことなのです。
安くしてお客さんを集めて、高価格帯商品を販売することにより業績を伸ばすというのがマーケティングのセオリーです。
大手企業が今までの風土を覆し新しい戦略を実行するというのは並大抵なことではないと思います。でも、やるとこの様な結果が生まれます。
これは税理士業界でも同じことで、税理士事務所は大きく業績を伸ばしたければ、これからは高価格帯商品を販売していく必要があります。
すでに、安くして集客するということには成功しているので、次のステップということです。
2018年の初めの四半期を終えようとしています。
これから繁忙期も抜けるので、こういった取り組みにチャレンジできる時期になってきます。
2018年、大きく業績を伸ばすために高価格帯商品の販売に力を入れてみてはいかがでしょうか?
ー高名一成