From 福元友則
最近話題になっていた本を読みました。
「嫌われた監督、落合博満は中日をどう変えたのか」という本です。
中日ファンの僕は楽しく読みました。
落合監督が誕生する前のシーズンBクラスの5位に低迷しました。
そこから翌年に優勝。
たしか補強をせずに現有戦力での優勝だったような気がします。
プロスポーツはお金を使ったところが勝つというのが定説になりつつある中でどのように組織を改革して優勝したのかにとても興味を持ちました。
これは会社経営、とくに中小企業の経営に役立つ何かがあるのではないかと思い読み進めました。
まだ読了してませんが、役立つところを先生にもいくつかシェアします。
まずは落合監督が記者に語ったこと。
「お前ら、もっと野球を見ろ。見てりゃあ、俺のコメントなんかなくたって記事を書けるじゃねえか」
よく番記者にそう言っていたそうです。
それに対して多くの記者は
「見るだけで記事を書くなんて、そんなことできるはずがない。
きっと自分が口を聞きたくないから、そのための方便だろう」
と思っていたそうです。
ある日、落合監督がカメラマン席にやってきたそうです。
「ここで何を見ているんだ?」
この記者は咄嗟に言葉が見つからず「え、あ、バッティングを、、、」
と返答にもならない返答をしてしまったそうです。
すると監督がこんなことを言いました。
「ここから毎日バッターを見ててみな。同じ場所から、同じ人間を見るんだ。
それを毎日続けてはじめて、昨日と今日、そのバッターがどう違うのか、わかるはずだ。
そうしたら、俺に話なんか聞かなくても記事が書けるじゃないか。」と。
その後でこんなことも言っていたそうです。
「1年間続けてみろ。そうしたら選手のほうからお前に聞きにくるようになるはずだ。
僕のバッティング、何か変わっていませんかってな。」
顧問先のアドバイスにも役立つ話です。
近くでずっと見ている人にしか気づけないことがあります。
大きな変化ではなく、小さな変化。
しかしその変化が先の結果をよくも悪くもする変化です。
顧問先を身近でずっと見続けているのは税理士しかいません。
もし税理士がこうした変化を見つけれたら顧問先にとても貢献できるでしょう。
しかしほとんどの税理士は顧問先を身近で見ているようでいて、書類しか見ていなかったり数字しか見ていないためこうした変化に気づけていません。
これは自分たちが何の仕事をしているのかという認識の違いが原因です。
数字をあわせて決算申告をする仕事と思うか、決算や申告を通じて顧問先の発展に貢献する仕事と思うかの違いです。
今後求められる税理士がどちらかは言うまでもありませんよね。
ぜひ顧問先のアドバイスの参考にしてください。