From:高名一成
「顧客はなぜ、他社ではなく我が社から買うべきなのか?」
これはアメリカのある上場企業の社長が言ったセールスやマーケティングの世界では有名な言葉です。
この答えが企業の価値を決め、お客さんから選ばれる理由になります。
顧客ニーズがありオンリーワンな商品を持っていれば、お客さんは必ず自分のところで買ってくれますが、今の時代オンリーワンの商品なんてありません。
すぐ似たような商品が生まれ価格競争が巻き起こります。
独自の違いを作ったとしても、お客さんには違いが分かってもらえない、、、ということはいろんな業界でおきています。
税理士業界もそうですよね。
税務顧問の品質はよそよりいいのに…
よそより手厚いサポートをしているのに…
自分より安い事務所に契約を取られてしまった…
なんて話はよく聞きます。
だから差別化をしたいと考えているけど、何をしていいか分からないと悩んでいる先生は少なくありません。
差別化の方法はいくつかありますが、その前に顧問先との関わり方を見直すことが重要です。
それが冒頭の質問「顧客はなぜ、他社ではなく我が社から買うべきなのか?」の答えに繋がります。
では、あなたに質問します。
あなたは顧問先にとっての製品サプライヤーですか?それとも戦略的パートナーですか?
製品サプライヤーはお客さんに言われた商品を提供するだけの存在です。
一方で戦略的パートナーはお客さんに対して競争に勝ち抜くためのアドバイスをして、お客さんの経営をサポートをする経営のパートナー的存在です。
この2者は取り扱っている商品は同じでも、大きな違いがいくつもあります。
製品サプライヤーは顧問料が安く、価格でしか判断しない質の低い顧問先ばかりで構成されています。紹介がもらえることなんてほぼありません。
彼らのお客さんの関心は「価格」にしかなく、他に安いところを見つけては、契約更新のタイミングで契約を切り替えます。
一方で戦略的パートナーは顧問料が高く、いい顧問先ばかりで構成されています。それから紹介もたくさんもらえます。
彼らは言われた商品を提供するだけでなく、お客さんの利益を増やすためのサポートやアドバイスをしたり、お客さんの問題に対して善処します。
これは、税務顧問をただやるだけでなく、顧問先の経営が良くなるために必要なサポートすることを意味します。
差別化して価格で選ばれる税理士は嫌だ!ということであれば、戦略的パートナーを目指してください。
これは税理士業界に限った話ではありません。
近年、B2Bはお客さんの戦略的パートナーになることの重要性が増してきています。
今は商品過多の時代なので、商品で違いを作るのは困難な時代です。
しかし、お客さんの戦略的パートナーになることで違いを作ることができます。
顧問先の社長も巡回監査で税務顧問の領域の話を毎月されるよりも、自分の関心があることや困りごとの相談にのってくれたらきっと嬉しいでしょう。
それに対してアドバイスしたりサポートしたらどうでしょうか?
きっとあなたは顧問先にとって唯一無二の存在になります。
顧問先の戦略的パートナーになると営業もカンタンになり、高額商品も売れるようになります。
顧問先はあなたのもとを離れない生涯顧客になります。
もちろん、製品サプライヤーとして生きる道もあります。
しかし、それは1,000社に3社しか生き残れない過酷な道です。
日本が抱える構造的な問題が製品サプライヤーとは合わないのです。
あなたは顧問先の戦略的パートナーになれていますか?
ー高名一成