from 福元友則
僕は職業柄色んな会社の営業戦略を知っています。
うまくいっている会社の営業戦略もうまくいっていない営業戦略もです。
今は大半の会社の営業戦略がうまくいっていません。
特に経営して年数がたつ会社のほうがその傾向にあります。
割と業績を商品のせいにしがちなのですが、それは営業ではないのでまたの機会にでも。
なぜ年数がたつ会社のほうがうまくいかないことが多いのかというと、昔の成功体験を引きずっていることが多いからです。
一昔前は安売りをすると業績がよくなる時期がありました。
安売りをすることが善だ、安売りをするために経営努力をするべきだというような考え方もあったぐらいです。
しかし長い目で見るとよくわかるのですが、安売りをし続けてずっと経営できている会社というのは非常に少ないものです。
ほとんどの会社は安売りをしはじめて順調なときはいいものの、何かアクシデントがあったときに会社の体力の問題で悪循環にはまっていきました。
特に今は円安やインフレの問題があり、これからもっとうまくいかなくなる会社が続出するのではないでしょうか。
もし安売りをすることが戦略であり、安売りで1番になることが目標になってしまっているとこれからしんどいことになるかもしれません。
ではなぜ安売りをすることが問題になるのでしょうか?
この理由はごく単純です。
まず第1に利益がなくなること。
売価を下げた分はそのまま利益が減少するのですから当然です。
安売りをすると売上は増えるかもしれませんが、利益が増えるとは限りません。
むしろ減ることのほうが多いとわかったうえで取り組むべきなのです。
そしてもう1つの問題。
安売りをするなら1番安くないと意味がありません。
2番目に安い、3番目に安いではダメなのです。
このことをわかっていない社長は安売りをするデメリットだけ受けてメリットを享受できないでいます。
利益は出ないけど、そんなに売れるわけでもない。
これで経営がうまくいくはずがありません。
となるとみんなで安売り競争をすることになってしまいます。
競争が激しくなればなるほどどんどん価格を下げなければいけません。
そして誰も利益が出せない価格まで落ちてそこで安売りがとまります。
目の前の道をまっすぐ走り続けたら、そこは崖だったというような状況です。
うまくいくやり方だと思ってやっていた安売りが破滅への道だったでは洒落になりません。
もし顧問先がこんな状況だったり、こんな状況に陥りそうだったら先生がとめてあげてください。
安売りを続けて長期的にうまくいった会社はありませんので。