from 福元友則
税理士事務所の先生が繁忙期を抜けると関心を強めることの1つに営業があります。
士業を始めとする専門家は営業を苦手としている人が多いのも事実。
僕は税理士やコンサルタントなどの専門家の相談にもたくさんのってきました。
その中でわかったことの1つに営業に対する誤解があります。
営業を苦手とする専門家が考えているいい営業と営業が得意とする人たちが思っているいい営業にが違いがあります。
それもささいな違いではなく全く違っています。
営業が苦手な人はセールストークに関心を持つことが多いです。
それも特に反論処理トーク。
お客さんがこう言ってきたらこう返しましょうみたいなトーク術です。
これは質問をされたときなどにどう返せばいいのかという不安からくることが多いようです。
しかし多くのケースで反論処理トークはあまり成約と関係がありません。
もし説明が足りていなくてお客さんに疑問があるのならその点を説明してあげれば大丈夫です。
そうではなくお客さんが買わないという意思表示として反論をしてきているのだとしたらここから反論処理をしてみてもその決定をひっくり返すのは至難の業です。
付け焼き刃のトーク術でどうにかなるようなことではありません。
特に税理士などの専門家の場合、お客さんに説明する内容を伝えたまま理解してもらえることは少ないでしょう。
お客さんは難しすぎて理解できなかった場合、よくわからないからやめておこうとするかもしれません。
話はよくわからないけどこの先生は信頼できそうだからおまかせしようかなと考えるかもしれません。
その上での質問や反論です。
おまかせしようと思っているのであれば質問でしょうし、やめておこうと思っているのであれば反論でしょう。
ですからこの時点で質問や反論にどう答えるかという答え方についてはあまり問題ではありません。
営業が得意な人がいつも困るのは慣性の法則、または現状維持バイアスです。
先生にお願いすると今よりよくなることはわかったけど、今そんなに困っているわけではないから見送りますという意見です。
現状維持バイアスのやっかいなところは商品を比較したときに明らかに優れている場合でも、お客さん側に換えたくなるような動機がないと営業が難しくなることです。
これのせいで、法人営業のような継続したサービスを提供するようなケースではいい商品を開発しても新規契約を増やすことが困難なのです。
ここで重要になってくるのが差別化。
全く違うものであれば、現状維持バイアスをはずしやくなります。
営業を有利にすすめるためにも差別化は欠かせません。
差別化された税理士事務所が新規営業を独占できるようになります。
繁忙期に入る前のこの時期に事務所の差別化について考えてみましょう。
また事務所の差別化に少しでも取り組んでいきましょう。