from 福元友則
「それは競争になりそうだからやめておきましょう。」
社長の相談に思わずそう答えてしまうことがよくあります。
戦略から競争をするというのは中小企業やスモールビジネスにとって非常に危険かもしれません。
というのもまず競争に勝つのが難しいという点。
そして競争に勝ったからといって儲かるかわからない点。
しかも競争がある市場は必ず儲からなくなっていくという点。
こういうことがある以上、よほどの確信がない限り競争するのはやめておいたほうがいいと考えています。
ではどうするばいいのでしょうか?
競争の原理は他の選択肢より良いといえるようにすること。
なぜ儲からないのにみんな競争をしていくのでしょうか?
理由はいくつもあるのですが、1つはこれです。
より良いと言えるというのははルールが明確です。
ルールが明確だということは、対策を考えやすいし行動もしやすいことになります。
早く走るとか高く飛ぶといった陸上はルールがわからない初心者でもすぐにわかります。
ですからより良いという取り組みは業界や市場に参入してくる人、会社がみんな取り組んでくるといっても過言ではありません。
誰でも取り組めることだからです。
そこで考えるべきは、より良いではなく違いです。
差別化のことです。
多くの社長や会社が差別化に取り組んでいるつもりでいます。
しかしそのほとんどは競争であり、差別化ではありません。
差別化とは、ルールがなかったり、よくわからなかったりする違いをつくることに取り組むことだからです。
ルールがなかったり、よくわからなかったりするため、難しくて取り組む会社はほとんどないのかもしれません。
また取り組んでいるからといって同じことに取り組んでいるのかというとそんなこともありません。
違いをつくることに対する取り組みは人や会社によってベクトルも様々。
差別化に取り組むということはそもそも競争がない市場に取り組めるということです。
競争がないということは価格競争もないということ。
自分のいい値でビジネスをすることができます。
つまりきちんと儲けることができるということ。
中小企業が儲けたいのであれば、きちんと差別化に取り組むべきです。
顧問先や先生の事務所の戦略を決める際の参考にしてください。