from 福元友則
先日会った社長からこんな相談を受けました。
「最近どんどん儲からなくなってきたのですが、
どうやったらまた儲かるようになりますか?」
普通に商売をしているとどんどん儲からなくなります。
最終的に自分の労働コスト分しか手残りが残らなくなります。
ビジネスをするより、よそで働いたほうがいいんじゃないの?という状況です。
儲からなくなってきたという場合には、一時のことなのか、経常的なことなのかによって変わってきます。
ほとんどの場合は、経常的なことでしょう。
経常的なことというのは、このままずっと儲からない可能性が高いということ。
経済学的に考えると、完全競争市場では利潤は0になるとあります。
ポイントは完全競争市場でというところです。
つまり競争が激しくなればなるほど利益を出すのは難しくなるのです。
試算表とか決算書でどうやったら儲けるのかを考えるのが難しい理由です。
その市場における競争の状況がどうなっているのかを把握する必要があるのです。
競争が激しい、もしくは競争が激しくなりそうだとわかれば考えることは2つ。
この競争に勝てるかどうか、特にいつまで勝てるのか。
もし勝てないと思うなら、いつ競争から抜け出すのか。
儲けるためには競争がない、もしくは競争がゆるいところでビジネスをやるべきです。
競争がゆるいところを探すのは色々なやり方がありますが、1つ紹介します。
ターゲットを変えるというやり方です。
ターゲットを変える時には既存客のことをよく知る必要があります。
今回は既存客を知るというのは、顧客情報がどうとかそういうことではありません。
なぜうちと取引しているのか?
どうやってうちの商品サービスを利用しているのか?
などを聞いていくのです。
するとターゲティングができていない会社の場合、2種類のお客さんが混在していることが多いです。
初心者とプロです。
初心者相手のビジネスとプロ相手のビジネスは同じ業種でも全く違うビジネスになります。
例えば、IKEA。
家具業界は斜陽産業といわれてずいぶんたちますが、成長し続けています。
IKEAの成長の秘訣はいくつもあるでしょうが、ビジネスの特徴として注目してほしいのはお客さんが自分で家具を組み立てるという点。
どのビジネスでもそうなのですが、人件費が1番重いコストです。
家具も材料費と組み立てコストでいうと、組み立てコストのほうが高いことが大半です。
IKEAはその重いコストである組み立て作業をお客さんに押し付けることによって儲けているのです。
しかもお客さんは嫌々やっているのではなく、喜んで押し付けられているのです。
ターゲットを変えることで競争をなくせるかもしれません。
一般的には初心者向けは競争が激しく、プロ向けはゆるい傾向があります。
もしかしたら、ターゲティングできていなかったり、ターゲットが悪いせいで競争が激しいため儲けがでていないのかもしれません。
社長の相談にのる際は、ターゲットに注意してみてください。
また先生の事務所もターゲティングについて考えてみてくださいね。