From:福元友則
今回も前回の続きになります。
今、技術が時代を大きく変える転換点にいます。
なのでこれから変わる時代にあわせて我々経営者も経営を変えなければいいけません。
その時に重要になってくるのは、スピードよりもどの方向に変化していくかです。
そしてそのために何をするか?です。
僕たちにできることは、時代の変化にあわせて経営を戦略を調整することしかできません。
その際とれる方法は5つあります。
①新旧両方に二股する
②完全に新技術に乗り換える
③あえて旧事業にとどまる
④新しい名前に変え、完全の乗り換える
⑤新旧の分野に別々の名前で参入する
さて、この5つの方法のうちどれを選択するのがよいでしょうか?
今回は④⑤について解説します。
④新しい名前に変え、完全に乗り換える
このやり方でうまくいったのがハロイド・カンパニーです。
街の小さな写真現像紙メーカーだったはロイドは、ある時「電気写真技術」の権利を手に入れました。
そして、初の普通紙コピー機の販売に備えて、ハロイド・ゼロックスと社名変更をしました。
のちにゼロックスと社名を変更した会社のことです。
たいていの会社はこれまでの社名の確実さを手放して、先行き不透明な新社名に変更することに抵抗します。
しかし、フォーカスの点からすれば、中途半端な社名変更であればしないほうがましかもしれません。古いイメージと新しいイメージの間でどっちつかずになってしまし、どちらからもいい恩恵を得られません。
また名前を変えずにフォーカスを変えようとすると、難題にぶつかります。
名前が旧来のままだと、せっかく事業領域を新しくしてフォーカスを変えても、お客さんが抱くイメージが旧来のままになってしまいます。
これだと、時代遅れな商品と時代遅れな名前という印象のままになってしまいます。
次は⑤の新旧の分野に別々の名前で参入するをみていきます。
既存事業は手放せないが、新規事業にも参入したいという場合、別々に名前で展開するのが望ましいです。
リーバイスの例をあげましょう。
リーバイスとは、ジーンズで有名な世界大手衣料メーカーです。
リーバイスはスポーツ衣料メーカーを目指していた時期がありました。
「リーバイス・アクティブウェア」という新ラインを立ち上げたのです。
ですが、これはなかなかうまくいきませんでした。
また「リーバイス・アクション・スーツ」というラインで紳士用スーツを売り出したこともあります。
このラインもすぐに撤退することになりました。
靴や帽子、バッグにも手を出したそうですが結局どれもうまくいきませんでした。
その一番の理由は何かというと「リーバイスという名前は、ブルージーーンズの印象が強すぎること」にあります。
リーバイスというのは、ジーンズにイメージがフォーカスされていて他のものを受け付けれなかったのです。
伝統ある名前には、パワーがあり、お客がいます。
ですが、それはあくまで信頼性を得ているジャンルの話です。
そこを離れてフォーカスを失えば、その名前からパワーとお客さんが消え失せてしまうのです。
ロレックスはそのため、より手頃な価格の腕時計を発売した時、ロレックスという名前は使わず、チュードルという名前にしました。
新旧の両分野に参入したい場合、別々の名前は必要になるのです。
これから税理士事務所も旧来の分野だけではなく、新しい分野に積極的に参入していく時代になります。
その際はぜひ3回シリーズでお届けしてきた内容を参考にしてください。
この間違い、色んなところで本当によく見かけますので。
ー福元友則