From:福元友則
税理士業界を見渡してみても、経営コンサルに力を入れている先生はほんとうに1部の先生に限られています。
まだまだ旧態然とした業務を中心に行なっている先生が主流です。
ですが、昨年ぐらいから少しずつ着実に変化が起きてきています。
今まではあくまで勉強として、税理士として、知識の幅を広げるための情報収集として経営の勉強をされている方が多かったのですが、最近経営コンサルを事業のもう一つの柱にしようとか、税務に変わる収益源にしようとか、そういう動きが起きてきています。
こうした変化が起きてきている理由はいくもあるのですが、主な理由は3つかと思います。
1つ目の理由は、クラウド化です。
ブロックチェーンの技術が進み、今や経理が入力しなくても現金以外の取引は自動入力できるようになってきました。
しかも驚くことに、科目の振り分けもかなりの精度になってきています。
使用している人がみんなこの会社との取引はこの科目にしているからということで自動で科目選択されていたりします。
これは使用する人が増えれば増えるほど精度も高まりますから、近い将来にはほぼ誤差のない世界になるのでは?!と思っています。
ですので、入力代行や申告書作成を税理士に依頼している人は近い将来税理士が必要なくなる時代が来るかもしれないというわけです。
(もちろん税理士の専門的な判断が必要なケースもたくさんあることは承知しています。)
2つ目の理由は、中小企業が激減するからです。
今後、少子高齢化が急激に進みます。
これは、労働人口が減り、高齢者が増えることを意味します。
労働人口が減ると、国内消費と労働市場が縮小します。
これは単に企業の働き手が減ることを意味するのではなく、消費のメイン世代が減るということは経済も縮小するということです。
つまり中小企業は、会社の働き手が減ってしまい、しかも買ってくれるお客さんも減ってますのです。
これは大企業であっても同じなのですが、その影響は中小企業の方がさきに受けることが説明するまでもないと思います。
ここに事業承継問題が絡んでくるので、これからは「大倒産時代」と言われているのです。
3つ目の理由は、競合の存在です。
お客さんである中小企業が少なくなるということは、完全に買い手市場になるということです。
売りたい税理士事務所は年々数が増えていっているのに、それに反比例して買い手が少なくなっていくのであれば、通常急速に値崩れがおきます。
競争激化による低価格化を引き起こしてしまうのです。
早々に今の半額になることを想定しておきましょう。
これらのことを考慮して今後を予測すると自分たちが思っているよりも随分と早いスピードで、しかも突然大変化が起きる可能性が高いです。
なので、この変化を経営のピンチとするのではなく、チャンスにしようと着々と準備を進めている先生が増えてきているのです。
先生は時代の変化に対応する準備を進めていますか?
ー福元友則