From :福元友則
2020年ごろに団塊世代の経営者が数十万人、引退することが予想されています。
ある統計によると60歳以上の経営者の50%超が廃業を予定しているとのこと。
事務所によっては、顧問先の半分ぐらいは、社長が60歳を超えているところもありそうです。つまり現状の顧問先の1/4ぐらいを、2、3年で失ってもおかしくないということです。
100顧問先の事務所は、25顧問先ほど、売上にすると1,250万円ほど
200顧問先の事務所は、50顧問先ほど、売上にすると2,500万円ほど
という計算になります。
2025年にはリタイヤ適齢期を迎える中小企業の経営者の数は約245万人とも言われています。その半分の127万人が後継者不在なのです。
2025年ごろまでにおおよそ1/4ほど企業数が廃業予定ということです。
ここまでの流れをまとめると2020年ごろまでに1/4ほど減少するのではないか?
そこから2025年ごろまでにまた1/4ほど減少するのではないか?
というのがリサーチデータから推測されます。
税理士事務所は、事業承継の問題をどのように受け止めたらよいのでしょうか?
単純に顧問先が減る要因であるため、ピンチととらえるのか?
それとも新しいビジネスモデルを確立するチャンスととらえるのか?
それは、先生がこの問題をどう見るか?
どう捉えるのかによって変わります。
例えば、廃業理由については
①当初から自分の代でやめる予定だった・・・40%
②事業に将来性がない・・・30%
③後継者がいない・・・30%
その他には、地域に発展性がない/事業の継続が見込めないなど
ということなのですが、廃業予定の企業に中にはまだまだ事業を継続できる状態にもかかわらず廃業を決断する社長が多くなるのが特徴です。
②事業に将来性がないという人の中には、将来性がないからやばくなる前にやめようという人が少なくありません。
そうであれば、新規事業をすることでもっと会社を成長させることができるかもしれません。
事業のライフサイクルという観点から見ると、現在日本の事業は衰退期に突入しているものやもうすぐ衰退期に突入するものが多いとされていますが、自分のメイン事業がこうなった時、社長がやるべきことは、これから成長カーブを描く事業に投資していくことです。
そしてこれは、今は衰退産業だから後継したくないと思われてるだけだったり、成長産業に変わることで、今までと違うタイプの人材が後継者候補になったりするケースも多々あります。
僕は、事業承継問題の本質は、社長の世代交代であると同時に衰退産業から成長産業への事業領域の転換だと思ってます。
ここを支援することができるかどうかが税理士事務所にとって事業承継問題がピンチになるかチャンスになるかを決めると思います。
新しい事業で課題になるのは、十中八九「営業や売上の確保」です。
ここに対してどうサービスを展開できるかがカギを握ります。
これが中期での最重要課題となってきますので、ぜひ時間をどう対応していくか考えてみてください。
ー福元友則