From:高名一成
先日、ネットでニュースを見ていたらこんな記事がありました。
「鳥貴族28年ぶりに値上げ」
という記事です。鳥貴族は焼き鳥専門の居酒屋チェーン店です。フードとドリンクが全て280円均一というコンセプトで大きな支持を得ていました。
僕も何度か行ったことがあるんですが、こんなに頼んだのに◯◯円なの!?と驚きの安さでビックリします(笑)
その鳥貴族が280円という値段を10月から298円に値上げするそうです。その理由は「原材料や人件費など様々なコストが増加したたために、もはやコスト上昇分を吸収しつつ現行価格で高価値な商品とサービスの提供を続けることは難しい」ということ。
要はコスト増のため、利益が出なくなってきたので値上げをしますということですね。あまり大きな値上げ幅ではないと個人的には思いますが、会社としては大きな決断だったのではないでしょうか?
このニュースを見て鳥貴族を利用していた方たちからは、「まだまだ安い」「あまり変わらないような気がする」「しょうがないと思う」「値上げした方がいいと思っていた」などと肯定的な声がとても多い気がします。
会社としては、値上げによって起こりうる顧客離れが怖かったはずはので、こんな声をきけることはとても嬉しいはずですよね。
ですが、一方で「残念」「もう行かない」という声も上がってきています。当然ですが、値上げという行為はユーザーから見るとネガティブな情報ですよね。これをポジティブに感じられるのは商品を提供する会社側だけです。
つまり、値上げという行為は少なからず顧客離れを起こしてしまう可能性がある行為なのです。
値上げの約束?
僕は、今回の鳥貴族の事例は税理士事務所の業界で置き換えて考えるべきだと思っています。今、税務会計の顧問料は全体的にとても安い状態になっていますよね。
そこで、いろいろな先生方とお話をすると、よく言われるのが「今の顧問料は安いけど、来年上げてもらう」ということです。では、実際にどのくらい値上げするのでしょうか?1万円?2万円?ちなみに値上げをする理由は何でしょうか?
実際に値上げをする約束になっていたけど、いざその時期になってみると値上げが出来なかった・・・。という話もよく聞きます。業績が悪いため、社長と揉めそうな空気になったためなど。この話から分かる様に明確な理由が無い上で、サービス内容が同じ物を値上げをするというのは非常に難しいことなんですね。
それでも値上げする場合は顧客離れは覚悟しなくてはいけないと思います。
始めは値上げしてもいいと言っていたけど、時間が立てば気持ちにも変化が起こります。予め2年目から◯◯円になると決めて、契約書にしっかり明記していない限りはこの行為は揉め事の種になる可能性が大きいのです。
さらに、顧問先全体に出来ることではないので、事務所の売上アップの観点から考えても微々たる売上アップになります。
僕は今までいろいろなサービスを見てきましたし、自分でもサービスを提供してきました。その中で始めに契約した価格のものを後から値上げすることは、ほぼ不可能だと思います。リスクの方が高いのでやらない方がいいと思っています。
では、どうすればいいのか?
商品ラインナップで客単価を増やそう!
僕たちがオススメしているのは値上げでは無く、別の商品を作って1顧問先の客単価を増やすことをオススメしています。今のサービスはそのままで新しいサービスを買ってもらうということですね。
そうすると、お客さんは値上げをされたという感覚は無いので新しいサービスを買うか買わないか決断するだけです。関係性が悪化することもありません。
今、税理士業界では、こういったことを行うために商品ラインナップとしてMAS監査やマーケティングコンサルティングといったコンサル業務を事務所の商品ラインナップとして整えています。
A商品を買った人にB商品をオススメする。B商品を買った人にはC商品をオススメする。この一連の流れが商品ラインナップとなり、値上げをしなくても客単価を増やすことができ、売上が長期間にわたり増え続けます。逆に言うと商品ラインナップが無い、もしくは稼働していないと売上は大して増えません。
税理士はお客さんの経営状態を唯一把握できる存在です。さらに未来もある程度予測できると思います。
お客さんのお困りごとも理解できていると思いますので、お客さんを助けるため、事務所の売上を増やすため、お困りごとを解決する商品を作って、商品ラインナップを増やしてみてはいかがですか?
ー高名一成
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