From 福元友則
経営をしていてみんなが迷うことの1つに短期的利益と長期的利益はどっちを優先するべきかわからないというのがあります。
ケースバイケースではありますが、ほとんどの場合は長期的利益を優先するべきです。
ところが税理士事務所のアドバイスは短期的利益について言及しがちです。
試算表をみて利益について言及したり、決算書をみて利益について言及する場合、たいてい引き出そうとしているものが黒字化になりがちだからです。
単月だったり単年の黒字というのは、まさに短期的利益のことです。
もちろんこれが悪いことだというわけではありません。
まず単月、単年で黒字化するだけの売上を稼げるようになることはとても重要です。
しかし短期的利益をあげれるようになれば会社が成長し続けれるわけでもありません。
もし短期的利益についてばかり話をしていると、時間がたつにつれ思うように売上や業績があがらなくなってきます。
短期的には会社内部的なことが売上や利益に直結しやすい反面、長期的には会社内部のことよりもお客さんだったり、ライバルや業界などの動向が利益に大きく影響してくるからです。
ですから、社長にアドバイスするには長期的利益という視点も持ち合わせてないといけません。
すぐに実績につながりそうなもののために行動するのと、将来のためにやらなくてはいけないことのために行動するのとでは全然違います。
しかも短期的利益と長期的利益は相反することのほうが多いのでますます厄介です。
短期的利益についてばかり考えていると、実はそれが会社の寿命を縮めてしまう可能性もあるということなのです。
特に社長や経営者は長期的利益について考えなければいけません。
というのも、社員が長期的利益について考えるには無理があるからです。
彼らは今週、今月の業績をあげることで必死です。
しかもおそらく長期的利益につながる行動を評価する体制も整っていないはず。
であれば、自身の評価に直結しないようなことをするはずがありません。
ですので、社長自らが長期的利益に関することは担当しなければいけません。
もし社長がやらなかった場合、担当者が不在になることを意味し業績が右肩下がりになっていく可能性が増大してしまいます。
まずは社長に、長期的な視点で会社を発展させていく役割は自分しか担えないと認識してもらうことです。
そしてその仕事はおそらくより高く売れる商品開発であったり、同じ仕事のクオリティを単価をあげれるまで高くすることだったりします。
顧問先の社長にアドバイスする際の参考にしてください。