From 福元友則
これはShowroomの前田社長の言葉です。
前田社長は、双方向メディアの先駆けである「SHOWROOM」を立ち上げた人です。
Showroomは、アイドルの卵とか劇団員とかが自分のファンと直接つながることができるサービスのようです。
今をときめくIT社長のようで、彼女は女優の石原さとみさんとか。
前から名前は知っていたのですが、一体どんな人なのかなと非常に興味が湧いたのはアナザースカイを見たのがきっかけ。
アメリカ、ニューヨークでの金融マン時代を振り返っていました。
とてもとても優秀な人たちとの競争の毎日。
1番になれる何かを見つけるのはとても難しかったとか。
そんな中で彼が導き出した答えがより良くなる(優れる)ことではなく、異なることだというのです。
これはマーケティングにおいても最上位の概念であるポジショニング戦略にも通じることで、競争に勝つために相手より優れるためにする努力はあまり成果に結びつきません。
それは、なぜかというと情報には非対称性があるからです。
サービスの提供者とお客さんでは、そのジャンルに対する知識が違いすぎるのです。
例えば税理士事務所を選ぶ場面。
お客さんはどんな税理士がいるのかホームページを見て探しているとします。
通常、「税理士 ○○(ここには地域名が入ります。渋谷とか)」というキーワードで検索すると大量に税理士事務所が出てきます。
それを上から順番に見ていきます。
「税理士 渋谷」で調べると約7,630,000件ヒットします。
そのうち1ページ目には16件のページがのっています。
普通お客さんはこの16件を見てどこに連絡するか選びます。
順番に上から見ていくと、普通はどこも書いてあることに大差ありません。
するとお客さんはどこもそんなに違いがないのだろうと勘違いしてしまいます。
本当は各事務所ごとにサービスの違いがあるのですが、より優れていることをアピールしてもお客さんにはそうしたことまで理解できません。
ですから、最終的に同じようなサービスなら価格が安いところにお願いしようとなってしまいます。
ですので、顧客獲得をしようとすると(これは自分たちだけの話ではなく、ライバルが顧客獲得しようとしていても同じです)低価格化が起きてしまうのです。
では、安いお客さんではなく高いお客さんを獲得したい場合どうしなければいけないかというと、違うことをアピールしなければいけません。
ライバルと全く違うことをです。
やるサービスを全く変えなければいけないというのではなく、お客さんに訴求するポイントを全く変えなければいけないのです。
お客さんがよほど選び慣れているものでない限り、より良いものよりかはより安いものの方が選ばれます。
その方が失敗した時のリスクが少なく見えるからです。
ですが、違うように見えるものの場合そうはなりません。
単純に比較できないからです。
「優れるな、異れ」というのはマーケティングのポジショニング戦略においてとても重要な考え方です。
自分たちがやっていることややろうとしていることは、ライバルよりも優れようとしていることですか?
それとも、異なるためのことですか?
ぜひこの視点で見直してみてください!優れるな、異れ!