From:高名一成
先日、大手弁護士法人東京ミネルヴァ法律事務所が破産しました。
東京ミネルヴァ法律事務所といえば、過払金請求のCM広告で有名な事務所ですよね。
弁護士と言えばステータスが高く、稼げる花形商売として世間に認知されています。
その弁護士業界の中でも有名事務所が破産するなんて、、、と多くの人が驚いています。
負債総額は50億を超えています。
これは知的財産を商売の生業にしている事業として考えると「何をどうやったらその金額になるの?」と思ってしまうような額です。
これを受け、ネットでは裏に何かあるとか闇があるとか言われています。
本当の理由が何かは分かりません。
が、マーケッターの観点から見ると弁護士のビジネスモデルの問題が見えてきます。
その問題の1つに「リピート性」が無いことがあげられます。
例えば、過払金請求ですがこれはリピートしずらいですよね。(しかも競争激化案件!)
というかほぼリピートは無いでしょう。
リピートが無いと売上を増やすために常に新規集客をやり続けなければいけません。
本来、広告はリピートを含めた売上を見込むことで広告投資をします。
でも、これだと一度限りの売上を作るために多額の広告費をかけ続けなければいけないのです。
これは自転車操業になりやすいビジネスモデルの典型例です。
うまくいく事業には、次の3つの商品が必要です。
それは、
①集客商品
②関係構築商品
③利益商品
と呼ばれる商品です。
集客商品は売上を増やすことではなく、お客さんを集めることを目的とした商品。
関係構築商品はお客さんとの関係性を深めることを目的とした商品。
そして、利益商品は利益を増やすための商品です。
ここ数年、関係構築商品として話題になっているのがサブスクリプションです。
サブスクがあるからお客さんとの関係が深まるし、広告費を回収することができます。
お客さんとの関係が深まっているから利益商品が売れるようになります。
これが無いと、集客商品で新規を集める続けるか、利益商品を頑張って売り続けなければいけません。
これを弁護士事業に当てはめて考えるみると、関係構築商品が無いことはマーケティング上の大きな問題です。
今の事業で関係構築商品が無い、あるいは作れない場合は、別事業の商品を用意しても構いません。
例えば、保険とかいろいろありますよね。(ここでは弁護士法とかそういうのは考慮していません)
では、税理士事務所で考えるとどうでしょうか?
この3つの商品の括りでいうと税務顧問は関係構築商品に当てはまります。
このことから考えると、税理士事務所の売上はほぼ関係構築商品によって構成されているということになります。実際そうですよね。
お客さんとの関係が深まっているのであれば、マーケティング上の次のステップは利益商品を売って利益を増やすことです。
すでに、利益商品が売れる土台は出来上がっているので顧問先の問題に合う商品さえ用意できれば売るのは比較的カンタンなはず。
これは顧問先の問題を解決しながら一気に利益を増やせるチャンスです。
これからの事業計画を考える時の参考にしてみてください。
そして顧問先にも同じことが言えるのでアドバイスしてあげてください。
ー高名一成