経営戦略

税理士はAIを使った方がいい?使わない方がいい?

From:高名一成

 

最近、「AIを使う税理士と、使わない税理士で、これから大きな差がつく」という話をあちこちで見かけるようになりました。

 

ほんの1年くらい前まで、よく語られていたのは「税理士の仕事はAIに奪われるのか」という話だったと思います。

 

仕事そのものが消えるのか、残るのか。

 

そういう論点でした。

 

それがいつの間にか、論点が変わってきています。

 

「奪われるかどうか」ではなく「使いこなせるかどうか」へ。

 

同じ税理士でも、AIを使う人と使わない人の間で差が開いていく、という話に移ってきました。

 

AIを「使うか使わないか」は、
もう答えが出ている

 

ただ、正直なところ「使うか、使わないか」で迷う段階は、もう終わっていると思っています。

 

使わない、という選択肢は現実的にはほぼありません。

 

使っていないというだけで「あの先生はAIを知らない」「ちょっと遅れている」という見られ方をしかねません。

 

そういう印象は、お客さんから選ばれるかどうかにも、じわじわ効いてきます。

 

若い経営者ほど、そういう税理士じゃなくAIに明るい税理士に見てもらいたいと思うので、他に尖った特徴が無ければ今後は選ばれなくなっていくのは間違いありません。

 

AIは一時的なブームではなく、長く続くトレンドです。

 

だからこの流れが止まることはまずないでしょう。

 

しかもその速度はかなり早いので、3年後とかではなく、来年にはもっと当たり前になっていてもおかしくありません。

 

ですから、使った方がいい。

 

ここまでは、たぶん多くの先生も同じ考えなんじゃないかと思います。

 

本当の分かれ道はAIを「何に使うか」

 

問題はその先です。

 

実はもう、AIを使い始めた先生たちの中でも、差が開き始めています。

 

同じようにAIを取り入れているのに、です。

 

その差とは何か?

 

「何に使っているか、何のために使っているか」という目的です。

 

ここを意識しているかどうかで、1年後、2年後の事務所はまったく違う場所に行き着くと思っています。

 

AIを使っても
「楽になった」で終わる人

 

多くの場合、AIの使いみちは業務効率化です。

 

記帳や入力といった作業が、たしかに速くなります。

 

でも、そこで一度考えてもらいたいんです。

 

効率化して、何が変わるのでしょうか?

 

「楽になった」

 

多くは、そこで止まってしまいます。

 

なぜなら、効率化はこの先どんどん当たり前になっていくからです。

 

実際、会計ソフトの会社自身が、AIで記帳の手間を何割も減らす機能を次々と出しています。

 

あなたが頑張って効率化しなくても、近いうちに当たり前になっていく流れです。

 

そして、当たり前になったものに、高いお金を払ってくれる人はいません。

 

「効率化できること」と「稼げること」は、まったく別の能力ですから。

 

もちろん、効率化がそのまま利益に直結する人もいます。

 

職員を何十人も抱えていて、人件費の桁が大きい大手の事務所。

 

あるいは「これからは一人でやる」と割り切った先生。

 

こういうケースなら、効率化の意味はとても大きくなります。

 

ただ、それ以外の多くの先生にとっては、効率化だけだと「楽になった」で終わってしまいがちです。

 

で、儲かるとか業績向上にはあまりつながらないと思います。

 

AIで空いた時間を
価値を上げる方に使えるか

 

ですから、考えてもらいたいのは「空いた時間の使い道」です。

 

AIで時間が空いたとき、その時間をどこに振り向けるか。

 

たとえば、浮いたコスト分を値下げの原資にする、という使い方があります。

 

これは「効率化して、安くする」方向です。

 

一方で、空いた時間を顧問先の社長と向き合う時間にあてる、という使い方もあります。

 

こちらは「効率化して、価値を上げる」方向です。

 

社長が本当に望んでいるのは、顧問料が少し安くなることでしょうか。

 

たぶん、そうじゃないですよね。

 

多くの社長が一番ほしいのは、自分の会社の売上が増えること、会社が良くなることのはずです。

 

そして、社長の話をじっくり聴いて、一緒に経営を考える。

 

これはAIにはできません。AIで空いた時間をここに振り向けられた先生は、単価も上がっていく傾向があります。

 

AIを使うかどうかで悩む時代は、もう終わりました。

 

これからの分かれ道は、AIで空いた時間を「楽になった」で終わらせるのか、それとも顧問先の価値を上げる時間に変えていくのか。

 

ここだと思っています。

 

そして、やるべき順番はAIからではありません。

 

本来の目的である価値を作るところからです。

 

価値を作ることができるから、AIで効率化することに意味があるんです。

 

効率化してからじゃないと取り組めない…

 

そう思う人もいるでしょうが、それでも価値からやりましょう。

 

目的の逆からやる人は、だいたいそっちで終わっちゃいます。

 

むしろ、そっちすらきちんとできないというケースをたくさん見てきました。

 

本来の目的からきちんと取り組みましょう。

 

ほんの少しの時間もとれないなんてことは無いと思うので、大切な予定からスケジューリングして取り組みましょう。

 

AIは待ってくれません。今すぐ、考えてもらいたいことです。

 

-高名一成

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