From:福元友則
僕は今までたくさんのコンサルタントやコンサルタント志望の人を指導する機会に恵まれてきました。
これまでに彼らの様々な相談に乗ってきたのですが、一番多い相談は「どうやってサービスを売ったらいいですか?」です。
この質問をされた時、僕が必ず聞くようにしている質問があるのですが、それは、、、
「あなたは商品/サービスを売るためにどんなことをしてきましたか?」という質問です。
返ってくる答えの大半が、今までやってきた営業についてか、その営業手法を身につけるために受けた講座の内容かのどちらかです。
そのどちらを聞いても、またこの人もやっちゃったか、、、
と思って聞いています。
大半の人は営業力を上げるために、クロージング力をあげようとしています。
しかし、コンサルティングを売る時にクロージングをすると全く売れなくなります。
専門的なサービスは目で見て確認できるものではありません。
もし売っているものが、高級車や高級なスーツであれば、見込客は目で見ることができて、触ったり、座ったり、試着したりすることができます。
こうした行為を通じて、見込客の中にある欲しいという気持ちがどんどん大きくなり、やがて理性で抑えれなくなります。(我慢できなくなります。)
こうなってから、その商品を買う言い訳を提示してあげると、見込客は喜んで、「それなら仕方ないな」と言いながら買っていきます。
でも専門的サービスは違います。
購入前に目で確認できるものではありません。
しかも、商品と違い購入してすぐに所有した喜びとか満足感を提供することもできません。
しかも、購入してからしばらくしないと結果もわかりません。
おまけに、見込客はこちらのサービスをどれだけ丁寧に説明しても理解できません。こちらはその道のプロですが、相手は全くの素人だからです。
なので、商品を売るやり方でクロージングをしても間違いなく売れないのです。
それはなぜか?というと
見込客の欲しいという欲求に火をつけて、その火をどんどん大きくしていくプロセスがないからです。
では、見込客の欲求に火をつけて、それをどんどん大きくしていくためにはどうすればいいのかというと、、、
まずは、見込客が欲しいものを明確にすることです。
よく勘違いされていますが、コンサルティングを売る相手は(中小企業の社長が大半)我々のサービスから何を得たいのかわかっていません。
欲しくないもの、望ましくない結果はわかっていますが、その代わりに自分は何が欲しいのかを説明できないのです。
こうした相手に、売る側がこうあるべきとか、こうした方がよいとか、そういうことをどれだけ伝えても全く欲しくもやりたくもなりません。
子供の頃、親から宿題をやれと言われてやる気をなくした経験をした人は多いと思います。子供だって宿題をやった方がいいことはわかっていますが、やりたくないのです。
これと同じ状態に見込客はなっています。
さてこのタイミングで、クロージングのテクニックを使ってセールスをするとどうなるでしょうか?
大半は「重要なことだと思いますので、検討します。」
という答えがかえってくるだけです。
ちなみにどれだけ待っても検討した後のことは聞けません。
検討なんてしませんから。
なので、見込客の言葉で、見込客が欲しいものをしゃべらせること、見込客が欲しいものを明確にすること、それらを引き出すことが非常に重要なポイントになります。
決してこちらから提示してはいけません。
ですので、ぜひ巡回監査や決算説明の時を活用して普段から顧問先の欲しいもの、欲しい結果を聞くように努めましょう。
ー福元友則
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